夢月亭~下手の横好き~

夢月亭清修の小説&バス釣りブログ♪小説の更新情報・小説・釣行記録・その他諸々掲載してます★

≪企画小説≫like a Sound Novel 『陽炎レールウェイ/百景』  

まだまだ書き手のお友達も少ないのですが、思い切って≪企画≫してみます!

先に言いますが、僕一人でもやりますから!ww

題しまして『≪企画小説≫like a Sound Novel♪』

僕は絵などは描けませんので、かわりに「楽曲(インストゥルメンタル)」と「その楽曲のタイトル」を御題にします。

曲を聴きながら読んで、その雰囲気にハマるような掌編小説を書いてみようじゃないかという塩梅です。

正直音によって雰囲気がかなり固定されるので難しいかもしれません。
(僕には超難しかったです……音よりもタイトルに逃げた感じがあります……)

でもでも、ひょっとしたら素晴らしい掌編が集まるかも!と期待しています^^

書き手の皆様、書いてみたいという方がいらっしゃれば是非コメントください♪

(僕の感想で恐縮ですが)別の記事に紹介文を書いて皆様のブログをリンクさせていただこうと思っています。



それでは今回の御題はこちら↓

百景というバンドの「陽炎レールウェイ」です。

それではまず自分から始めさせていただこうと思います。
☆―――――――――――――☆

  陽炎レールウェイ 『異界列車』          夢月亭清修


 甲高い汽笛に目を覚ました。
 私の視界にはいっぱいの海と空が広がったが、その色は悲しくなるほど赤かった。一日の終わりを告げるそれよりも、世界の終わりを告げるかのような――夕焼けよりも炎のような赤。
 それは車窓から見える景色――私は海沿いを走る蒸気機関車の客車に揺られて居るらしい。が、どうにも見慣れない内装であった。どこの国、どこの時代ともつかない煤けた木製客車で、四人掛けのボックス席も剥き出しの木製――これはタイ国鉄の三等客車のそれと良く似ている。
 嗚呼、ここは何処だろう? 何処へ向かっているのだろう? ここは、一体何時なのだろう――私には解らなかった。

『次は――陽炎、陽炎――』

 車内に放送の為の設備など見えなかったが、それでも隙間風の如く何処からか車掌か運転手の声が響く。
 陽炎、聞いたことの無い駅名に、さては夢でも見ているのかしらと己を訝しんだ。しかし――

「夢では、ありませんよ――」

 向かいの席に座っていた女が突然私に声を掛けた。女の存在に気付きもしなかった私だから、まるで心の内を読んで吐いたような言葉にびくりと肩を震わせもしたけれど――その姿、顔を見て、私は心底驚いた。
 肩から先の無い藍染の胴衣、脹脛で絞られたカルサン袴という時代錯誤な出で立ちをしたその女は、なんと三つの目で私を見据えていた。そう、彼女は額にも目を持つ女であったのだ。特に額の目は瞬きもせずに私を見詰めていて、そこに人の視線らしい感情の一切を臭わせない。その目だけが、何故か女の意志とは別の存在のよう。
 驚きのあまり言葉を発することすら難儀になった私を、女はそれさえ悟ったように言葉を紡いだ。
「この列車は貴方が乗るような列車ではありませんよ。今なら、まだ還ることもできましょう」
 女は懐からお札のような物を取り出し、私に握らせた。
「こ、これは――」
 ようようそれだけ口にできた私であったが、次の瞬間、私の体は霞んで揺れた。
 さながら陽炎のように。
 幻であったかのように――。

『間も無く高崎、高崎――御忘れ物の無いようご注意下さい――』

 はっと目が覚めた。いつの間にか眠り込んでいたらしいが、気が付けば目的の駅である。私は慌てて電車を飛び降りた。
 眠っている間に差し込む夏の日差しを全身に浴びていたのだろう、私の体は嫌なあせでびっしょり濡れて、まだ一日も始まったばかりというのに気持ち悪く、気分がささくれた。
「はぁ、これから仕事だっていうのに……」
 取り敢えずネクタイを緩め、胸元に風を送ろうとして、またはっとする。
「え――」
 私は右手に紙切れを持っていて、それで自分を扇ごうとしていたのだ。見ればその紙には、五芒星と不可解な漢字が羅列してあって――。
 慌てて振り返り、すっかり遠ざかっていく列車を見た。列車は、陽炎の中で揺れている。

                                            ――了


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Posted on 2016/03/05 Sat. 00:16 [edit]

category: ≪企画小説≫like a Sound Novel♪

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

tag: 掌編  御題 
tb: --   cm: 14

コメント

音楽とタイトルを題材に小説ですか……
うーん……私にとってははじめての試みです。
ちょっと考えてみますね。

春の陽射しのような温かい音楽ですね(^^)
電車に揺られているイメージぴったりだと思いました♪
そして妖怪?列車に乗り込んでしまったのですね。でも優しい妖怪さんがいてよかった。
悪い妖怪だったら食べられちゃうとこでしたね……((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
音楽と春のぽかぽかと夢うつつに迷い込む、陽炎ってテーマがよく合ってると思いました。

URL | たおる #-
2016/03/05 21:33 | edit

Re: タイトルなし

>たおるさん
こんばんは!
やっぱり音楽はやりずらいですかね( ´・ω・`)
ほぼほぼ自分の訓練の為と思って考えていたので、考えて下さるだけでも本当にありがたいです。
本気で自分一人で突っ走る気だったので…。笑

もし完成しましたらご連絡ください♪

この曲は車で田舎道を走る時なんかによく聞いていて、とっても好きな曲です♪
本当は妖怪話にしちゃダメなような気もしたんですが…w「陽炎」が結びついちゃってw

読了ありがとうございました^^

URL | 夢月亭清修 #-
2016/03/05 22:54 | edit

はじめまして。秋田藻溜と申します。
いつも楽しく閲覧させてもらっております。

自分は好きな曲を元にして小説を書いたり、構想を組んでみたりすることも結構あるのですが、他の方から出されたお題で書くとなると、また難しいやもしれません。
この記事の夢月さんの作品は陽炎の揺れるような幻想感が出ていてとても良いと思います。

初のコメントで参加するのも何処か不躾なような気がしますが、自分も企画に参加させていただいても宜しいでしょうか?

URL | 秋田藻溜 #fLQ05n2U
2016/03/07 23:08 | edit

Re: タイトルなし

>秋田藻溜さん
はじめまして!
こちらこそ、いつもこっそり伺っておりました^^

お褒め頂き恐縮です。ありがとうございます♪

音楽から小説を書くという方は少ないみたいで、僕も初めての試みでした。
藻溜さんが普段小説の元にされている曲はどんなタイプの音楽なのでしょう?
良かったら教えてほしいです♪

不躾なんてとんでもない!
参加希望本当にうれしいです^^
是非是非、ご参加ください♪

完成しましたらこちらのページにまたコメントいただけると助かります☆

URL | 夢月亭清修 #-
2016/03/08 00:22 | edit

基本的にナツメロと洋楽ばかり聞いています。書いているジャンルやシチュエーションによって音楽を使い分けたりもしているので、執筆の際にかける音楽は自分にとって結構重要です。

企画の掌編小説を書き終えたので、明日にでも自分のサイトに投稿しておこうと思うのですが、いかが致しましょうか?

URL | 秋田藻溜 #fLQ05n2U
2016/03/09 19:12 | edit

Re: タイトルなし

>秋田藻溜さん
こんばんは!
なるほど~。僕は何も聴かずに書くので、自分で企画しておきながら結構困惑してしまいましたよ。笑

懐メロと洋楽、いいですね♪
あまり詳しくありませんが、学生時代にはオアシスなどにハマった記憶があります。

おお、書き上がりが早いですね!
どんな内容になっているのか今から楽しみです^^
通常通りブログにUPしてくだされば、こちらからお伺いして読ませていただきます♪
その後紹介記事を書きましたら、こちらから再度ご報告致しますね。

URL | 夢月亭清修 #-
2016/03/09 23:17 | edit

なるほど

こんばんは。

ようやく自分の分を書き終えたので、こちらを読ませていただきました。
幻想的な不思議な体験ですね。
高崎に向かう電車は、一瞬どこか異世界に迷い込んだようですね。

短い中にも情景がはっきりと浮かぶいい作品でした。

私の方、他の作品の発表との兼ね合いで、4月6日に公開予定です。かなり難しいお題で四苦八苦しましたが、一応、ご連絡まで。

URL | 八少女 夕 #9yMhI49k
2016/03/22 04:14 | edit

Re: なるほど

>八少女夕さん
こんばんは!
読んでいただけて光栄です^^
なぜ高崎なのかは今になってみれば自分でも謎だったりします…w

おおっ、書いていただけたんですね♪
お忙しい中恐縮です。
4月6日を楽しみにしています(∩´∀`)∩

URL | 夢月亭清修 #-
2016/03/22 23:26 | edit

はじめまして

ブログにご訪問、ありがとうございます。

面白そうな企画ですね。音楽好きなので参加させてください。
でも、掌編小説ではなく、英語の三行詩(と言ってもただの自由詩)で。
良いですかね (-_-;)

よろしくお願いします。できましたらまたお知らせに上がります^^

URL | けい #-
2016/03/24 09:39 | edit

Re: はじめまして

>けいさん
こんばんは!
こちらこそ、ご訪問ありがとうございます^^

英語の三行詩! いいですね♪ 小説とはまた違った味がでそうです。
完成を楽しみにしております^^

URL | 夢月亭清修 #-
2016/03/24 23:21 | edit

夢月亭清修さん、できました^^
よろしくお願いします。

http://meuniverse.blog10.fc2.com/blog-entry-373.html

URL | けい #-
2016/03/27 15:37 | edit

Re: タイトルなし

>けいさん
こんばんは!
そして作品ありがとうございます^^
後程伺います♪

URL | 夢月亭清修 #-
2016/03/28 00:06 | edit

はじめまして

はじめまして!
素敵そうな企画を見つけてしまい、気がついたら挙編書いてしまいました!
参加表明する前にすみません……。
読んでいただけると幸いです。
次回からはちゃんとチェックして参加表明を忘れないようにしようと思います!
また来ます! 失礼しました。

http://ake0615novel.blog.fc2.com/blog-entry-10.html

こちらが書いた記事です。

URL | あけみ #I9hX1OkI
2016/04/10 17:25 | edit

Re: はじめまして

>あけみさん
はじめまして!
飛び入り参加大歓迎なので嬉しいです♪
早速拝見しますね^^

URL | 夢月亭清修 #-
2016/04/10 21:23 | edit

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