夢月亭~下手の横好き~

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小説:不思議なオカルト研究部 第四話 抜粋談 外伝  

第四話  抜粋談 外伝     夢月亭清修

『抜粋 石動美也談(昨年の百物語より)』

 今晩は、石動美也っす。私も翠先輩、柳田先輩と同じオカルト研究部に所属しているっす。なんで、私も部室にあるレポートから一つ、紹介するっすね。
 これは、R君という部員が書き残したレポートからっす。

 R君は入院しました――えっと……すいません、何で入院したかは忘れちゃったっす。まぁ、兎に角入院したんすよ。
 で、折角入院したことだし、暇つぶしに看護婦さん達から病院の怖い話を集めようとしたんすね。まったく、オカルト研究部員の悪い癖みたいなモノっすよね~。私だったら、仕事で忙しい看護婦さん達を捕まえて話を聞くなんて、申し訳なく思っちゃいます。
 でもまぁ、R君は人懐っこい人柄だったんすかね? 結構色々な話を集めることに成功したみたい――R君はその全てをレポートに書き留めているっす。
 それをまとめて読んでいると、一つ、不思議なことに気が付くんですよ………ふっふっふ~何が不思議なんだと思うっすか?
 実はっすね、何度も重複して登場する話があるんすよ。語り手はその都度違う看護婦さんなんすけど、内容がほとんど一緒なんすね。一部を除いて――。
 その話の内容はこうっす。夜勤で見回りをしていると、廊下で幽霊に出くわすっす。幽霊は危篤患者のいる病室に入っていって、それっきり。翌朝、その病室の人が亡くなっているそうっす。
 これだけ聞くと良くある話、病院の怪談、死神談としては定番っすよね。でも――
 レポートを読んでいると、毎回登場する幽霊が違うんす。
 ある時はお爺ちゃんの霊。
 ある時はお婆ちゃんの霊。
 ある時はおじさんの、ある時はお姉さんの――。
 毎回違う幽霊が出てくる………でも、話の流れ以外にも共通点があって、それはその全ての幽霊が『病衣』を着ていること。同じ病衣を着ているんす。そう――

 その病院の、病衣を――。

 これとよく似た病院の死神談の定番と言えば、登場する霊は「落武者」であったり「炭鉱夫」であったり、まぁどっちかって言うと時代がかった霊が多い気がするっす。
 でも、この病院の霊はどうにも漠然としているっすよね。お爺ちゃんとかお婆ちゃんとか――時代を感じさせない霊っす。だから私、これを読んで思ったんすよ。
 嗚呼、この死神、交代しているんじゃないかって。
 その病院で亡くなった人が死神役になる。死神役は次に亡くなる方の病室を訪れて、更に次の死神役を言い渡す。
 これの繰り返し――。
 レポートを読んだ私の憶測で申し訳ないっすけど、でも、そもそも死神が「炭鉱夫」とか「落武者」って言うのも考えてみれば妙っす。なんで? って感じ。真っ黒な人影に取り囲まれるって死神談の方がそれっぽい。
 だから私、時代がかった霊の出てくる怪談が真実であるなら、私の憶測もありえるんじゃないかって思ってるっす。
 死神役が巡る病院も、在り得る――。

 はい! これにて六十一話目は終わりっす。あ、この蝋燭を吹き消せばいいんすね? え? 語り方が怖くない? もぅ、先輩厳しいっす。そういうの苦手なんすよ~。

                                      ――了


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第四話は幻創文庫にて12月28日に掲載予定です!

読み切りなので外伝を先に投下させていただきました☆

本編では「柳田邦彦談」&「緑ヶ丘翠談」を収録しています♪

Posted on 2015/12/27 Sun. 00:17 [edit]

category: 小説:不思議なオカルト研究部

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

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