夢月亭~下手の横好き~

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小説:不思議なオカルト研究部 第三話 酒場の守り神 外伝  

酒場の守り神 外伝   夢月亭清修


 桃太郎電鉄という有名なテレビゲームを御存じだろうか? ハドソンの看板的なシリーズソフトで、鉄道会社の運営をモチーフにした人生ゲームと言うと解り易いかもしれない。
 プレイヤーはサイコロを振り、出た目の数だけ目的地に近づきながら、「物件」を購入し収益を上げる。最終的な総資産で各プレイヤーの順位が決まるのだが――。
 さて、このゲームの代表的なマスコットと言えば「ボンビー」と呼ばれる貧乏神で、これに憑りつかれると買い集めた資産を勝手に売り払われたり、お小遣いに数百万強請られたり、何かと大変なわけだ。取分け「キングボンビー」なる最大級の貧乏神に憑りつかれると目も当てられない。億が一瞬にして零になる程の破壊的な不運を招き、かの不細工なキャラクターに泣かされたプレイヤーは枚挙にいとまが無いであろう。ゆえに、このボンビーを如何にして避けるか、それがこのゲームの鍵となる。

 桃太郎電鉄――それはカルマにとっても懐かしいゲームの名だ。彼にもあった帰宅部高校生の時代には、暇な夏休みをこのゲームに費やしたと言う思い出がちらほらあって――だがしかし――
 大学を卒業し、運良く酒場のマスターとなった今でも、このゲームのことを思い出すことがあろうとは、「ボンビー」を連想させる存在が近くにいようとは、嗚呼、夢にも思わなかったことだろう。
 店の入り口に設置した防犯カメラの映像にソレが映り込む度に、カルマは初めてキングボンビーに出会った時の衝撃を思い出すのだ。
 ソレ――生まれついてでなければ在り得ない程しなやかな金色の髪。そこに刺さる真っ赤なカチューシャ。そして白い肌、派手な服――。
 そう、某大学の三回生、緑ヶ丘翠の姿だ。
 彼女の来訪を知る度にカルマの背筋は凍りつき、両足は震え、額からは冷や汗が瞬時にして吹き零れる。
「き、キングボンビーが…来た!」
 しかもただ一体のボンビーではない。必ず、その両脇にハリケーンボンビーとミニボンビーを侍らせている。これはゲームの中でも在り得ない恐怖のシチュエーションだ。
 今日は初見の男も一人増えていてる――それもあの女が連れて来たものだから、カルマには新たなボンビーにしか見えない。どう考えても、あの女が連れてくる人間が記念仙人なわけがない。
「や、やばい……ヤバすぎる……」
 カルマは慌ててアイアンメイデンのレプリカの中へと飛び込んだ。
 針の無い鉄の処女の中は凄まじい金属臭がして息が詰まる。が、何振りかまってなどいられるかと言ったところ。収益を増やすためには、貧乏神だけは回避しなければならないのだから――。
 嗚呼しかし、無情にも、処女の扉は一分の後に蹴り開けられてしまうのだった。
 ボンビーを擦り付けることのできるプレイヤーが、ここにはいない。

                 ――了

☆――――――――――――――――――☆

幻創文庫」にて連載中の小説、不思議なオカルト研究部シリーズ三話目の外伝(掌編)になります。

本編はこちら→酒場の守り神 前編

シリーズ一覧はこちら→不思議なオカルト研究部シリーズ

ブログに掲載中の外伝(掌編)まとめ→カテゴリ 小説:不思議なオカルト研究部


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Posted on 2015/12/23 Wed. 20:13 [edit]

category: 小説:不思議なオカルト研究部

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

tag: 小説  掌編  桃太郎電鉄 
tb: --   cm: 2

コメント

こんばん(▽・w・▽)わんこ。

桃電…懐かしいですね(笑)
僕はやり込まなかったですが当時の彼女氏がはまりまくってました。

しかしそのボンビーが4体も…((((;゚Д゚)))))))
恐ろしいですね…破滅必至じゃないですか(汗)



URL | いぬふりゃ☆ #-
2015/12/23 20:59 | edit

Re: タイトルなし

>いぬふりゃ☆さん
こんばんは!
僕は基本ゲーム機の類を持たないので実はゲームって苦手なのですが…w
それでも桃鉄は友人に誘われてやったことあります。

ボンビー四体、ほんと、考えるだけでも恐ろしいですよね…w

URL | 夢月亭清修 #-
2015/12/24 23:13 | edit

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