夢月亭~下手の横好き~

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小説:不思議なオカルト研究部 第六話 迷子霊≪外伝≫  

   小説:不思議なオカルト研究部 第六話 迷子≪外伝≫



 とあるファミリーレストランに迷い込んだ少女の――本来ただ成仏するだけの彼女が、ある日磁力のように引き寄せられたのが感困ったちゃん体質の何某、物語本編には何ら関係を持たない人である。
 その人、少女のをくっ付けたままそのレストランにて飲食し、帰り際に彼女を置き去りにしてしまったことが事の始まりなのであった。
 何故置き去りにしたか? いいや、寄せるくせに気付けないのがこの困ったちゃん何某の特質なのであって、ひょっとしたら、彼の注文したソルティドッグ(塩多め)が、結果として店内で彼女を引き剥がす要因になったのかもしれない……。
 ともあれそうして、そのレストランでは閉店後の丑三つ時、閉店作業に勤しむ従業員によって、度々彼女の存在が目撃されることとなった。
 彼女はそのレストランに存在していた結界によって、店から出れなくなってしまったのだ。
 本来行くべき所があるとは教わらずとも感じていた少女――出れないことへの焦燥が、その姿を多くの人に見せた要因となったのかも――。

 直也が結界を壊した夜、己をその場に縛り付ける何かが無くなったことを感じた少女は、嬉々として店の出口へと駆けた。
 嗚呼、これでここから出ることができる――安堵に綻んだ頬は誰が目撃したでもないけれど、きっと無邪気に喜びを表していたことだろう。そうしていざ扉を潜り抜けんとした、が――
 少女の足が扉を目前にして止まった。
 彼女は扉の向こう側に異様な圧迫感を感じ、綻んだ頬も一転、警戒心に強張った顔で後退る。
 出たくない、いいや、出れない――
 直也は結界を壊したけれど、それは依然として出口を塞いだままだったのだろうか? いいや、そうではなかった――。

 同時刻、閉店し、固く鍵で閉ざした扉の外に立ちんぼしていた人のある――。
 直也から聞きつけた目撃談を、我も体験せんとばかりに張り切ったカルマであった。
 カルマはオカルト研究部のOBなのだが、彼もある意味感困ったちゃんで、その特質は前述の困ったちゃんとまるで逆のモノ。彼はその見掛けとは裏腹に、偉大なる何かに守られている(らしい…)のだ。
 それ故に、彼は極度のオカルト愛好家であるにもかかわらず、怪異と遭遇した体験を一切持ち合わせていない。
 彼を前にしては、一切の怪異が鳴りを潜め道を譲るのである。
 しかしまぁ、それがカルマのオカルト熱に拍車をかけている要因でもあるのだろう。今日もこうして、目撃談あらば自分の店を閉店させてまで訪れて、窓から中を覗くやら扉に耳当てて気配を疑うやらと、不審者極まりない有様であった。
「くっそぅ……良い時間だってのに、ちっとも出やしねぇ…」
 そうぼやくが己の特質を知らないカルマの口。少女にしてみれば、出たくても出れないのである。
 しかし諦め切れない彼は幾度となく中を覗いて耳を当て、不審行為を繰り返していた。すると――
 パチッ――とスイッチの入るような音がカルマの耳に届いた。次の瞬間、彼を光が照らし出した。
 おおっ! 遂に来たか!?
 カルマがそう思ったのも束の間、野太い男の声と手が、彼の肩に降り掛かったのだ。
「君、そこで何してんの?」
 振り向けば青いシャツに無線等忍ばせたベスト、そして見紛う無き旭日章の帽子――。
 彼を照らしたのは、巡査の手に在る懐中電灯であった。
「あ、えっと、その……」
 巡査の職務質問が、少女にとって最後の障壁を取り除いた。≪了≫

本編はこちら→迷子霊 前編  迷子霊 後編


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Posted on 2017/03/05 Sun. 22:07 [edit]

category: 小説:不思議なオカルト研究部

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

tag: 小説   
tb: --   cm: 2

コメント

こんばんは( ´・ω・)ノ

カッ…カルマさん…遂に不審者に…( ̄▽ ̄;)
そりゃあ深夜にガサゴソと怪しい行為を続けてればそうなりますよね(笑)
そういえば僕も深夜の港湾での釣りでそんな声を掛けられた覚えが…。
でもソルティドッグ程度の塩の量でも霊的なモノには効果あるんでしょうか。
だとすると、塩分摂り過ぎな現代人なら誰もが霊を弾きかえすかも…と思ってしまったのは秘密です(。-∀-)ニヤ

霊体験…大人になってからは殆どしてないですねぇ。
子供の頃(瀬戸内某所に住んでた頃)、夕闇の中おかず釣りしてたら斜め頭上を人魂がいくつか…とか、普通にあったような。
ちなみにその人魂をボケっと眺めてたら母がチャリンコで迎えに来て、
「母ちゃん、あれ…」と言った僕に、母は「ほっときんさい」とこたえました。
今でもほのかに僕に残ってるらしいそういう体質は全て母から引き継いでしまったものの様です…( ̄▽ ̄;)

URL | いぬふりゃ☆ #-
2017/03/07 18:10 | edit

Re: タイトルなし

>いぬふりゃ☆さん
こんばんは!
夜釣りでも声掛けられることがあるんですね><;
港湾まで見に来るんだから警察も忙しそうなお話です(いや、むしろ暇だったのかな?w)

ソルティドッグが霊に効くとはまったく思えませんね。笑
まぁ少女の霊はそれほど微弱な霊であるという解釈でお願いしますw

やぱり子供の方が見えるんですかね~?
自分は子供の時にもそういう体験をした覚え全然無いです。
よほどチューニングがあってないんですね、きっとw

URL | 夢月亭清修 #-
2017/03/08 01:08 | edit

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