夢月亭~下手の横好き~

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『妖・密事』あとがき  

   妖・密事(あやかしみつじ) あとがき


 書き始め当初、この作品は自分にとって非常に気軽な実験作でした。
 誰に読ませるでもないのだから、兎に角卑猥で、卑猥だからこそ書ける女妖を書こう。出来る限り怪しげで古風な言い回しを利用し、思うような雰囲気が出せるものか挑戦してみよう、と。
 そんな気持ちで膨らませたイメージが第一話『古木の怪』と第二話『木姫と虚穴坊』です。
 本来ならこの作品は、上記の二話で完結していても良かったのかもしれません。でもーー
 女妖に化かされて、遂には人であることを捨ててしまう只野正信青年に、妖魔となった証を刻んだことが運の尽き………彼の瞳を「深い闇を湛えた虚穴」へと変えてしまったことが、一年半に及ぶ長い執筆へのスタートとなってしまったのです。


 第壱部 『~妖出~』
 上記二話に第三話『蛍が沼の金盤』、第四話『傀儡の少女と眼帯の少年』、第五話『縁日の障女』、第六話『閑話~ぬらりの翁の星の丘』から成る序破急のになります。
 青年に瞳を失わせて広がったのは、妖魔となった彼に新たな瞳を授けるという物語のイメージでした。それを成立させる為に必要なパーツが、この第壱部には詰め込まれています。
 また、様々な妖魔を描くことができ、私個人としては充実した序になったと感じています。「起きてみる夢を喰う魚型の貘と、その身を食べたことで貘の劵族と成り果てた女」(八百比丘尼のイメージでした)や、彼女と人の間に生まれた「半妖」「俗物で幼い飛縁魔」「元は京の陰陽師であったぬらりひょん」等々、既存の妖怪に新たな設定を盛り込んで描くのは非常に楽しい作業でした。
 また、「蛍が沼」と「星の丘」と云うフィールドは、自分の思う異界情緒を目一杯含ませた、愛して止まない世界でごさいます。


 第弐部 『~瞳の行方~』
 第七話『蜘蛛の子』、第八話『芒夜語り』、第九話『芒の海』、第十話『瞳の行方』、第十一話『閑話~行軍唯二人』から成る序破急のです。虹彩異色である半妖二人の、木姫を探す旅を描きました。
 カスミとシュウジの二人にとっては結果に過ぎませんが、まさしく瞳を虚穴坊へと渡す為に描かれた旅路です。これによって、虚穴坊は金と翠の、それぞれに別の妖魔の力を持つ両目を手に入れたのでした。
 この破では最終話まで関わることになる重要なキャラクターとフィールドが生まれました。
 「英国の失踪船ナロニック号の船魂」と、彼女が船を渡す「芒の平面世界」がそう。「芒の海」とも記されるこの世界は、様々な異界へ繋がる端境を有し、ナロニック号は芒の上を漕いで渡りながら、様々な存在を願う世界へと渡します。
 船魂であるレディ・ウィンセルは色々と奔放で、物語を見渡しても一際異彩を放つ存在(馬鹿)でした。


 第参部 『~酒呑童子~』
 第十二話『壺中天の宴』、第十三話『八岐ーー天叢雲剣』、第十四話『船上、一幕見』、第十五話『酒呑童子』、第十六話『終の棲家、陽炎の杉』から成る序破急のになります。
 破で新たな瞳と力を得た虚穴坊ですが、ではその瞳で何を成すかと云えば……なんと世界を救ってしまいます。笑
 第壱部から「ぬらりの翁」より語られていた酒呑童子との対決に備え、対決し、そして木姫と虚穴坊の存在が終焉を迎えるまでを描いて完結としました。
 

 さて、当作品は官能小説です。私自信は物語を大切にしたく思い書いてきましたが、それ故に(特に弐部は……)官能シーンが薄い物語も多々ありました。逆に、それを取り返すべく官能の割合を大きくした話もあるにはあるのですが、全体を見渡すと、どっち付かずな印象も拭いきれません。がーー
 筆者はその事について一切後悔しておりません。笑
 なんかもう、書きたいように書き切ったわ! と思っています。

 あらすじか解説か宣伝のようなあとがきになってしまいましたが、当作品は携帯小説サイト、幻創文庫にて全文公開しております。妖怪譚、奇譚、異界譚、そして官能をお求めの活字愛好家に手にしていただけたら嬉しく思います。

 最後に、掲載していただいた幻創文庫編集部、そして読んで下さった方々へ心より御礼申し上げます。

 ありがとうございましたヾ(o´∀`o)ノ


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Posted on 2017/01/31 Tue. 00:40 [edit]

category: 未分類

thread: あとがき - janre: 小説・文学

tag: 官能小説 
tb: --   cm: 2

コメント

こんばんは!('ェ')

この作品…1年半も続いていたのですね…。
内容が濃い目に感じていたせいなのか、もっと期間が短かった様な錯覚に囚われてました。
最終回でも再確認させてもらいましたが、こうやって纏めて書いてもらうと改めて木姫さんがメインだったのだなーと今更ながら思いました。
挿絵などが一切存在していなかったせいもあってか、主役の木姫さんのヴィジュアルを上手く想像する事が出来ず…
言葉遣いからして結構年上感があるような、記述によれば若々しい様な、なかなか謎な感じが良かったです。
…実はロリロリだったという意外展開はありませんよね?(*´艸`*)

初めの頃の語り口では夢野久作風なのかなと感じていましたが、全体的な雰囲気はネットである夜行堂奇譚のシリーズに通じるものがある…と勝手に思ってました。
あのシリーズにえっちシーンはありませんが…( ̄▽ ̄;)
次の長編も期待させて頂きますよ~。
各種設定を考えるのとか大変だと思うのですが頑張って下さい!(・`ェ´・)




URL | いぬふりゃ☆ #-
2017/01/31 20:08 | edit

Re: タイトルなし

>いぬふりゃ☆さん
こんばんは!
木姫と虚穴坊がやはりメインだなぁ~と思うのですが、こうして振り返ると一話と二話以降で二人がしっかり登場するのって十話まで無いんですよね…笑
語られるだけの回が多いこと多いこと。
実はロリwwそのイメージも面白いですねww見様によっては女子高生のようにも……的な記述はあった気がします。

夜行堂奇譚は存じ上げないのですが、話が進むにつれてキャラクターが感情豊かになると同時に、徐々に奇譚の雰囲気が減ったのは仕方ないかなぁと思っていました><
一応官能なので、同じキャラクターを使って奇譚であり続けるのは難しかったですねw(別の男を化かし続けるタイプだったらあるいは……笑)

また頑張って書きます!
(エロはしばらく封印です!w)

URL | 夢月亭清修 #-
2017/02/01 21:42 | edit

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