夢月亭~下手の横好き~

夢月亭清修の小説&バス釣りブログ♪小説の更新情報・小説・釣行記録・その他諸々掲載してます★

エリアトラウト~「開成水辺FOREST SPRINGS」で雨天決行  

本日は友人2人とエリアトラウトに行ってきました♪

フィールドは「開成水辺FOREST SPURINGS」。→開成水辺FOREST SPRINGS公式HP

神奈川県足柄上郡開成町にある管理釣り場です。(ちょっとした遠征でした)

フォレストスプリングスと言えば他にも4か所の姉妹施設があるのですが、どこに行っても魚が大きいみたいです。

それはもちろん開成フォレストも同じと伺いまして、事前情報は『釣れればデカい!』…………ってことは数釣るのは難しいのかな…(笑)という、まぁ腕に自信があるわけでもないので正直ここまで来て一匹も釣れなかったらどうしようなんて考えながらの釣りスタートでした(´Д`ll)ハハッ
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午後からの降水確率が100%の為か、土曜日なのにとっても空いていました。

取り敢えず写真↑のポイントにエントリー。水車の流れを横から狙います。

スプーンは全然釣れる気がしなかったのですが、トップウォーター、クランクの表層巻き、Xスティック等にはそこそこ反応を示します。とにかく表層を手を変え品を変えでローテしていくとポロポロ釣れるかんじでしたヽ(´ω`)ノ
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F1(ヤマメとブルックトラウトの掛け合わせ)もつれましたよ~♪
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事前情報どうり魚のアベレージは大きいです!自分が一日釣った感覚だと38㎝くらいが平均だと思われます。

低気圧のおかげか魚のテンションも高くてものすごく引きが楽しめました~♪

で、昼ごろから予報通りどしゃ降り。笑

取り敢えずレストハウスで昼食休憩。
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レストハウスすっごく雰囲気良いんです。奥の暖炉に火が灯っていて暖かい…

食事もトラウトを使った料理が注文できます。

三人でそれぞれカレー、ペペロンチーノ、カリフォルニア丼を注文したんですが、カレーにはトラウトディッパー(フライ)がトッピングされていて、ペペロンチーノにはトラウトの燻製が、カリフォルニア丼にはお刺身がのっていましたヽ(゚ω゚)ノ

写真を取り忘れましたが、僕が食べたカリフォルニア丼は野菜の上にアボガドソースと刺身がのっていて、それをワサビ醤油でいただくメニューでした。とっても美味しかったです♪

午後は雨の中なんとか頑張りました。笑
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かなり大荒れな天気でしたが不思議と魚は元気!夕マヅメはグロウカラーのXスティックが1投1バイトの状態になったりして超興奮しましたヽ(*´ω`)ノ

ちなみに竿はバスのULを使用。「でかいの釣るぞ!」と意気込んでなんとなくです。それと、一度トラウトでPEラインを使ってみたかったので本日はPE0.6号にリーダーがフロロ8Lb。こちらもバスタックルをそのまま流用。
☆――――☆
ロッド:ジャクソンBastard BTS-602ULST
リール:ダイワFreams2506
ライン:ラパラPE0.6+シーガーフロロバスハンター8lb
☆――――☆
PEライン、やはり巻物には合いませんでしたがスティック系のスローリトリーブには結構ハマってました。掛けた後が楽なので40オーバーの魚でも安心して取り込めます。
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そしてこれは不審者の画像………ではなく自分です。笑

持ち方に慣れていなくて超ぎこちないです。そんなに握り込んでいいのかっ!?って感じですね。スイマセン…

写真の魚はちゃんと計ってませんが47㎝くらいでしょうか?

夕マヅメはこんなのがバンバン釣れました。

天候と人の少なさに恵まれての釣果だと思いますが、これなら月1回ペースでもこの釣り場に通いたい!

そんな風に思えた開成フォレストスプリングスでした♪


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Posted on 2016/02/21 Sun. 00:47 [edit]

category: エリアトラウト

thread: ルアーフィッシング - janre: 趣味・実用

tag: 釣り  管理釣り場  トラウト 
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小説:朱鷺端境抄(ときはざかいしょう) 『朱松骨董品店』  

   朱鷺端境抄          夢月亭清修


『私は朱鷺――元は人、今も姿形こそ人の女なれど、その本質は定かならぬ。
 今ではないいつか、此処ではない何処かにて、石を拾って成り果てたが今の私と言うモノで――世界と世界の端境を歩み、ただ歩んで進むだけの女、それが私。その在り様に意味も、目的さえも見出せぬまま歩き続けている。
 嗚呼、いったいどれ程の世界を歩いたことだろう――。
 私をこのような存在へと変えてしまった石は、今も我が懐にて孵らぬ卵の如し。黒く艶光り、妙に人工物のようでいてさに非ず。
 この石、ぬらりの翁の星の丘に降る隕石とのこと。私は今、星の丘を目指している――』


  『朱松骨董品店』

 賑わい無き裏路地もまた裏路地に、何故か一軒の骨董品店あり。
 その煤けた弁柄格子の佇まい――「さぞ閑古鳥の鳴く店に違いあるまい」との想像は迷い人あらば三文判の如しであるが、さりとて扱う品々は《怪奇物品》ばかりとあって、通常《人》の来客など受け付けてはおらぬ。
 時折何を間違ったか足を踏み入れてしまう《人》もあれど、皆ロクな目に遭わない――化かされたりする程度なら可愛いモノで、中には発狂した者もあれば命を落とした者も――。
 その店、名を朱松骨董品店と申す。

 店の店主である骨のような老翁は腹巻に片手突っ込んでいい加減なはたき掛けの、店内を所狭しと並ぶ怪奇物品の手入れ、その日課の最中であった。
「………はて…銀狐や、その女は誰だろうな?」
 老翁が「銀狐」と呼ぶは壁に掛けられた一枚の絵画――妖狐の住まう異界がそれそのまま絵と切り取られた怪奇物品の一つである。
 絵の中で妖狐は雪花石膏(アラバスタ―)のような艶めかしい裸体を晒し、一人退屈そうに伏せているのが常であったが――はて、不思議な――今はその隣に女が一人正座している。
 女は肩から先の無い藍染の胴衣とカルサン袴という時代錯誤な出で立ちで、絵の中にありながらも凛とした眼差しで正面を見据えていた――何か、物申す心積もりと見て取れるような。
 その隣で「銀狐」と呼ばれし妖狐はどこか不貞腐れ顔の、どうやらその女の存在が気に食わないらしい。
 老翁はその様しみじみと眺め、絵の中に闖入者があらわれるとは……これは稀な現象に出くわしたもの――と自身の発見に「ほぅ」と感嘆を漏らしつつ、まぁこれも手入れの内と腹巻に刺していた左手をずぶり、と絵の中へと突っ込んだ。
絵画が一つの世界として存在するならば、老翁の左手は二つの世界、その端境を超えていよう。これは如何な妖術か、否、絵画はそもそも外から人を招き入れる世界なのだ。「銀狐」は好みの若い男を魅了しその世界に招き入れ、精と生を思う存分弄ぶ妖魔――怪奇物品の中でも取り分け性質の悪い一品である。
 老翁はその勝手知ったると手慣れた手付で、絵の中の闖入者の腕を掴んで引っこ抜いた。
 ずるり――と、女が絵の中から上半身を出す。
「ぷはぁっ」
 水の中にでも潜っていたような息継ぎをして、後は己で、両手を壁に付き下半身を押し上げる。
 そうして女、軽やかに床に足付けて、己を引き抜いた老翁に深々と頭下げて曰く。
「ありがとう御店主――どうにも絵から抜け出せず困っておりました。私は朱鷺と申します。旅人、のようなモノです」
 これに老翁、ふむ、と頷いて曰く。
「随分と変わった旅人のようだねぇ…いやいや、銀狐が絵の中に男以外を招くのは珍しい。驚いたよ」
 これに女、朱鷺は、少しばかり歯切れ悪く――勝手を知らぬ骨董品店の品物に無礼だったかと気まずげに言った。なにせ招かれて入った世界ではなかったが故である。
「いえ、その……招かれてはおりませぬ。迷い込んだのです……。蛍が沼という異界を遡りましたら、ある青年の淫夢に迷い込みまして、それが気が付けば絵の中に居たという顛末でして…」
「あ、そうかい、それで…」
 老翁は皆まで語らずも、その青年と淫夢に心当たりあって、そして図らずも、銀狐の不貞腐れた表情にも得心の回答を得た。
「どうりでねぇ、銀狐はおなごを好かんから……おや、見りゃやっぱり、随分とやられちまったようだね」
 老翁は朱鷺の肌に幾本も走る引っ掻き傷をみてそう言った。どうやら、この不思議な闖入者を嫌ってなかなかに暴れたらしい。まぁ、喰われなかっただけマシと言うモノであるが、その意を汲んだか朱鷺が代弁するにはこう。
「ええ、おなごの肉はきらいじゃと言うておりましたが、そもそも女ならば虐め倒したいと言った様子でして――まぁ、早いうちに引き出していただけたので助かりました」
 老翁はその傷に「消毒でもするかえ?」と問うたが、これに朱鷺は首を振る。「異なる傷ですが、私の異なる肌も直ぐに直りましょう」――と。

 さて、店内で差向う二人、今は茶の湯など沸かして腰を落ち着けていた。粗茶とは言えなぜ持て成されるかと朱鷺、少し訝しんではいたものの、聞けば老翁の本分であるところの商売は、商売と言うより渡し役と言った方が的を得る。
 そう、彼は渡すのだ――どことも知れぬ世界から店に流れ着く怪奇物品を、それを必要とするまた異なる世界へと、時には異なる存在へと、渡す。
 だから彼が言うにはこう。
「うん、この店は品々にとって中休みの為の場所なんだろうよ。ワシもこの店に憑いて何百年か解らんが、ありとあらゆる品を様々に渡したもんだ……だから、あんたみたいな訳解らん奴が、まぁこの店の正しい客さね。皆どうしてこの店を訪れたものか、それ縁の導き以外には無い。端からこの店に来ようと思って来る奴なんざいないのさ。だからあんたもきっと客なんだろうよ。この茶一杯分ほど、ワシに語ってみてもよかろう」
 そう促されて、ならばと茶の湯に口を付け、朱鷺は己の在り方を語って聞かせた。懐にある《星の丘の隕石》のこと――ただその導きにて異界から異界を歩み続けていること――そして、今は《ぬらりの翁の星の丘》を目指していること、それに意味も目的も見出せていないことを、聞かせた。
 翁はその全てを沈黙で受け止め、ならばと店内の片隅より差し出したモノがある。それは――
「こいつはね、夢渓羅針銅(むけいらしんどう)と言う」
 風変りな、掌に乗る大きさの羅針盤――コンパスであった。磁針もベゼルも、ありとあらゆる部品が赤茶けた銅製の、不可解な文字はその銅に彫られて読み解けず、道具と言うよりは呪具との印象が強い。その夢渓羅針銅を、老翁は朱鷺へと差し出した。
「これを持ってゆくといい。ここは現世だから、これがきっと次の端境まで役に立つ。これはありとあらゆる存在から縁を導いて指し示す、おかしな羅針盤よ」
 朱鷺がそれを両手で受け取れば、その裳裾の内で星の丘の隕石がぶるりと身震いするかに震えた。それが共鳴的な反応と直ぐに知れたのは、また同時に、羅針銅をぐるりと囲むべゼルが独りでに回転し始めたが故である。
 やがてピタリと止まって方位を指し示す夢渓羅針銅――その方角に何があるのか、朱鷺、今は知る由も無し。しかし老翁の役目が渡すことにあるならば、己は縁に従って受け取るまでと腹を括る。して、気になるのは対価――これを受け取って発生する義務か役割か、はたまた金であろうか。
 これに老翁、首を振って曰く。
「金は要らぬが義務も役割もあろう。羅針銅はこれを機にまた旅することになろうから、あんたからまた何者かに、これを渡すことが義務であり役割にもなろう」
 成程と、朱鷺は深く頷いて曰く。
「その対価、しかと承りましょう。夢渓羅針銅――これにはこれの、モノとしての縁がありましょうから」
 そうして、不可思議な羅針盤を手にして朱鷺は店を後にした。
 外に出てみれば見慣れぬコンクリートの道、どこの国の文化とも知れぬ佇まいで街は迷宮のよう――と朱鷺に映る。それでも、夢渓羅針銅はただひたすら北北東を指して迷わぬ。朱鷺もそれを信じ、疑いの曇りその心に一片も無し。
 この女、朱鷺、意味も目的も見いだせぬくせに、感じる縁にこれ程実直になれるとは――嗚呼、その存在、元は人なれど今は異と呼んで相応しい。



『私は朱鷺――元は人、今も姿形こそ人の女なれど、その本質は定かならぬ。
 今ではないいつか、此処ではない何処かにて、石を拾って成り果てたが今の私と言うモノで――世界と世界の端境を歩み、ただ歩んで進むだけの女、それが私。その在り様に意味も、目的さえも見出せぬまま歩き続けている。
 嗚呼、いったいどれ程の世界を歩いたことだろう――。
 私をこのような存在へと変えてしまった石は、今も我が懐にて孵らぬ卵の如し。黒く艶光り、妙に人工物のようでいてさに非ず。
 この石、ぬらりの翁の星の丘に降る隕石とのこと。私は今、石と共鳴し道を指し示す、夢渓羅針銅の導きを得たり――』

                                        ――了

前話へ→朱鷺端境抄『蛍が沼』  次話へ→朱鷺端境抄『芒の海のナロニック号にて≪手記≫』
☆―――――――――――――☆
「朱松骨董品店」は元々小説ブログ「DOOR」の管理人、Limeさんの描かれた『狐画』を元に書いたお話ですが、今回は自社内コラボと言うか、ブログ内コラボと言うか……朱鷺端境抄の舞台として使いました。(ちなみに、朱鷺端境抄は幻創文庫で連載中の『妖・密事シリーズ』の外伝のような小説です)

元となった「朱松骨董品店 『人食い銀狐』」の話はこちらです→朱松骨董品店『人食い銀狐』
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ちなみに、この絵を元にたくさんの書き手が掌編を書いております。

個性豊かな書き手が綴る掌編はどれも酔える世界観で、なんとうか、色んなカクテルのリキュールが並んだBARのカウンターみたいなことになってます。

その企画がこちら→妄想らくがき企画≪狐画≫

ぜひぜひ、こちらも遊びに来てください♪


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Posted on 2016/02/19 Fri. 19:55 [edit]

category: 小説:朱鷺端境抄

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

tag: 小説  掌編 
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小説:妖・密事(あやかしみつじ)シリーズ更新!  

本日幻創文庫にて連載が更新です♪

奇譚×官能の連続短編小説『妖・密事シリーズ』--『芒夜語り 後編』

本作にて絡新婦の回想が語り尽くされる運びとなります。

『芒夜語り 後編』
≪本文抜粋≫
 絡新婦は変わらず虚ろな目の、仰向けに夜空は映っただろうか? 否、きっと否だろう。口は壊れた玩具の如く、動力の途切れるまでは同じ歌を繰り返し、繰り返し――。
 そんな絡新婦の横に腰を据え、哀れな眼差し向ける女がある。女は緋色に辻ヶ花模様の絢爛な振袖纏い、その腕に生まれて間もない幼子を抱いている。
「ふむ、霧より生まれ出でたか――なれば『カスミ』と名付けよう。カスミ――良い子だ、しばらくは我に付いといで」

本日更新作へ→芒夜語り 後編

前回更新作へ→芒夜語り 中編

前々回更新作へ→芒夜語り 前編

シリーズ一覧へ→妖・密事シリーズ
(当作品は官能小説です。18歳未満はご遠慮下さい☆)

是非よろしくおねがいします♪


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Posted on 2016/02/16 Tue. 22:26 [edit]

category: 小説更新

thread: 更新報告・お知らせ - janre: 小説・文学

tag: 小説  官能小説 
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小説:釣り一頁ss No.6 「運か、腕か――」  

小説釣り一頁ss No.6 『運か、腕か――』      夢月亭清修



 性(さが)、と言うモノを目の当たりにしたように思う。
 僕の恋人は釣り好き一家の次女に生まれ、幼い頃より釣りに親しみ、自然と触れ合って育ってきた。その為か斯々然々の経緯で必死に隠していた『釣り好き』も易々と露見し、僕がそれを受け入れたと見るや否や溌剌と野を歩く姿は……まぁ、何と言うか――
 彼女に対し、割と大人しい子という印象を持っていた僕からすれば「あの上品な猫はどこへ行ったか」という塩梅だ。
 当の彼女は「猫なんて最初から被っていなかった」と言い張るけれど、それが本当なら釣りに行けるか行けないかは彼女の人格に多大な影響を与えていると言わざるを得ない。
 性だな――と思ったし、性は捻じ曲げられないモノなのだろうとも。
 ミディアムヘビーロッドに一オンスのテキサスリグをぶら下げて、物干し竿のようなそれを両肩で曲げるその姿は、僕のような初心者から見れば堂々たるバスアングラーそのもので――あまりにも堂に入っていた。
 正直釣り場で肩を並べるのが畏れ多いと思ってしまうくらいだ。
 しかも本当に上手くて、小さな隙間を精巧に狙い撃ち、カバーの下から大きなバスを強引に引き抜くその腕前は、プロの取材を目撃しているような錯覚を覚える。
 その隣でちまちま小さなバスを釣る僕に対し、彼女は快活に笑って「今日も私の勝ちじゃない?」と檄を飛ばす。猫なんて可愛らしいものじゃなく、豹かトラか――そのくらい性格に筋肉が付いたようだった。
(この「筋肉」という表現はいつも僕の脳内にはあるけれど、言ったら激怒されること請け合いだろう……)
 でもしかし、彼女とのデートに釣りというプランが半分を占めるようになっても、これといって僕自身の心境、彼女に対する恋心に変化は無かった。
 こと釣りとなると元気になる彼女だけれど、それは躁鬱のように正と負を行き来するようなギャップではなくて、好きなことを満喫してはしゃぐ子供のような、正数に正数を掛けるような上がり方なのだ。だから好ましいギャップとして見ることができたし、口遊びに「あんまり羽目を外すと池に落ちるぞ」と苦笑いの親心を披露すれば、「そんなことよりどっちが大物を釣るか競争しよう」と返って来た時には笑ったものだ。
 まるで本当に子供みたいだね――と。
 そうやって僕も、気が付けば以前よりずっと釣りにのめり込んだように思う。

 さてさて、ノロケ話をこれ以上語っても仕方が無いので閑話休題だ。
 そんな僕達の釣りデートに初めて幼馴染のK介が同行したときの話を、少しだけしよう。

「なんだよてめぇ! 彼女ができたならそう言えよ! 俺はてっきり……」
 すごく怒られた。なぜ怒られるのか解らない僕は呆気に取られて彼の言葉のサンドバックに成り下がっていたけれど、そんな僕達の様子をM美は笑って眺めていた。どうやら、彼女にはK介の考えていることが直ぐに分かったらしい。
「――てっきり、釣りに飽きちゃったんじゃないかって心配になったのよ、彼。ふふっ、意外とツンデレな幼馴染じゃない」とは、あとで彼女が耳打ちしてくれた言葉だ。K介とツンデレの二つが僕の中ではまったく混じり合わないのだが、彼女は「ベジータ級よ」と笑った。
 そうして三人で釣りを始めたわけだけれど、釣り好き同士とあって気の合う遣り取りを見せていたK介とM美が、ある瞬間を境に言い合いになった。
 原因を聞けば、お互いの戦略が噛み合わず、どちらの釣り方がより正解かを競い合ってしまったらしい。
 M美が言うにはこうだ。
「すっかりターンオーバーしちゃってるじゃない。こういう時大きい魚はカバーからそうそう動くモノじゃないわ。ディープの隣接したカバーを探しましょう」
 対してK介はこう言った。
「いいや、流れ込みの新鮮な水でベイトを追ってる。大型はまだ水温に影響されていないはずだから、新鮮な水があればそこにいるはずだ」
 流れ込みがあるエリアとカバーの豊富なエリアは縦に長いフィールドの対岸同士(ちなみに、全体としてウィードは薄いマッディな野池だ)――要するに、どちらのエリアへ優先的に足を運ぶのかで意見が分かれたのである。
 僕は「両方回ればいいじゃないか」と思ったけれど、朝の良い時間帯をどちらで過ごすかは二人にとって重要な問題であるらしく、結果、二人はそれぞれが思うように釣りをして、どちらがより大きい魚を釣るか対決する運びとなった。
 二人は鼻息を荒くして互いに背を向け、それぞれが目指すポイントへと歩いて行く。僕はどちらに付いてゆくべきかと考えて、考えあぐねて――結局その場に取り残される形となってしまったのだった。

 いざ一人になってみると、どうやって釣ったモノか全然見当が付かない。僕の釣りがいかに二人の師匠任せだったか身に染みてくるようだ。
 取り敢えず「秋は巻物」との格言を信じてスピナーベイトをぐりぐり巻いてみたものの、アタリは一向に無く、釣れる気が全くしなくなってきた。
 ならばと手を変え品を変えの引き出しが僕には無いわけで、直ぐに思考はワームの釣りへと傾くのも、バス釣り初心者にとっては「あるある話」の一つだろうか?
 最近知ったスプリットショットリグを結び、漠然と沖へ投げ、ボトムを取り、ゆっくりロッドワークでズル引きしてみる。
 コツコツと石を乗り越える感触が手元に伝わって来る。何となく、何かしら沈みモノの感触を味わっていると釣れそうな気がするから不思議だ。
 僕はしばらく、のんびりとそれを繰り返した。すると、ある時不思議な感触を手に覚えた。それまで頻繁にあった小石の感触とは違い、もう少し強く引っかかって、ぐんと何かに乗り上げたような――。
「なんだろ? 何か大きいモノが沈んでいるのかな?」
 気になって同じ場所へ数回キャストすると、どうやらかなり大きめの岩が転がっているらしいと想像が膨らんだ――おぉ、ならばそこには魚が付いているかもしれない。ひょっとしたら、まだ誰も発見していない穴場的スポットじゃないかしら?
 なんて、そこまで考えて首を振った。
 もう何回も同じ場所にキャストしているのだもの。本当に穴場であるなら、既に魚の反応を得ているはず。実際にはもぬけの殻なのだろう――と自分にとって都合の良い想像を振り払った。が、次の瞬間――
 ぐっとティップが水面に向けて曲がった。こちらの動作とは関係なしに引っ張られたような――。
 まさかと思ってするフッキングは「吃驚アワセ」と言われるそれに違いなかったけれど、しかし一動作入れて確かめることのできた重さには、ちゃんと生き物の動きが感じ取れたのだ。
「うわわ! 魚だ! 間違いない!」
 今までに感じたことの無い強烈な重みに腕が振るえる。ジリジリと音を立ててラインを放出するドラグは果たしてキツイのか緩いのか――僕の左手は壊れて暴走する玩具のようにハンドルを巻き続けているのに、なかなか魚は寄ってこない。
「ど、どうするんだよ――これっ!」
 リールの回転に頭の回転は追いつかない。一人で慌てふためく僕の様は「テンパっている」という言葉がピタリと当てはまっていて――。
 しかしそうこうしていると右からM美が、左からK介が駆け寄ってきた。どうやら僕の遣り取りが遠くからでも見えていたらしく、それぞれ大物の予感に興奮しているようすだった。
「無理に巻いちゃ駄目! 魚の泳いでいく方向と逆に竿を倒しながらラインを出して! 適度に抵抗を掛け続ければ魚が疲れてくるくるはずよ!」
 M美が教師か教科書のような言葉で僕をサポートする。
「こっち寄せられるか? 俺がネットで拾ってやる!」
 K介はランディングネットを伸ばして積極的に魚を取り込もうと体を動かした。
 そうして――
 僕はネットの中で身悶える魚体に手を掛け、持ち上げる。
 つやつやの鱗、脂の乗った魚は魚をたらふく食べていると言うが、それを証明するような大きな腹はまるで力士のそれと似て強さの証にも見える。
 写真でしか見たことの無いようなカッコいいバスだった。何でも吸い込んでしまいそうな大きな口、日に焼けた黒い肌、ピンと尖った背鰭が凛々しくて、嗚呼、これがブラックバスなのだと思った。
「す、すごい…」
 大きすぎる喜びは逆にテンションを奪うのかもしれない。もっと楽しげにはしゃいでも良かったのだろうけど、僕の見開いた目は魚に釘付けで、瞬きするのも惜しいような――。
 そんな僕の様子にK介とM美はニヤケ面でハイタッチを交わしていた。一体いつの間に仲直りしたと言うのだろうか――二人の間には、共通の喜びが芽生えているらしかった。

 結局、この日釣れた魚はこの一匹だけ。喧嘩するほど自分の予想に自信を持っていた二人はなんとボウズである。僕からしてみれば意外過ぎる事実だが、「あんなところに良いストラクチャーがあるなんて分かるわけが無い」と、二人の言い訳が似たり寄ったりだったのが可笑しかった。
 そして今、唯一の釣果を収めた写真が僕のスマホには入っているのだけれど、これは結構、僕の中では宝物と言ってもいい一枚だったりする。
 通りかかった別の釣り人にお願いして撮ってもらったそれは、魚を掲げて気恥ずかしい笑顔の僕を中心に、その左右を満面の笑みと四つのピースサインが囲んでいる。
 これを見る度に僕の胸にはあの瞬間の喜びと、またこれを味わいたいと願う気持ちが膨れ上がるのだから――嗚呼、いいなぁ、釣りって――そんな気分に浸れるのだ。

「釣りは腕が無ければ楽しめない」と、僕は心のどこかで思っていたのだろう。でも、その考え方を壊すようなこの一匹が、過去となった今でも愛おしく思える。

                                          ――了
前話→釣り一頁No.5 次話→釣り一頁No.7


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Posted on 2016/02/16 Tue. 02:49 [edit]

category: 小説:釣り一頁(つり1ページ)ss

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

tag: 釣り  ブラックバス  野池  小説 
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小説:妖・密事(あやかしみつじ)シリーズ更新!  

本日幻創文庫にて連載が更新です♪

奇譚×官能の連続短編小説「妖・密事シリーズ」――『芒夜語り 中編』です。

広大な平面世界、芒の夜に、シュウジが絡新婦の過去を語り始めます。

『芒夜語り 中編』
≪本文抜粋≫
 その頃、最早壊れた人形と成り果て、快感に声さえ上げぬ虚ろな有様であった彼女だが、その口が、歌を紡ぎ出し始めたのだ。
 恨めし者の首取りし――
 幼子の火が蜘蛛の糸――
 恨めし者の首取りし――
 やがては目覚め血を啜る――
 旋律は小唄のよう、なれどどこか不気味な音階で、三味線の不協和音がどこからか響いてくるかのようでさえ。

本日更新作はこちら→芒夜語り 中編

前回更新作はこちら→芒夜語り 前編

シリーズ一覧はこちら→妖・密事シリーズ一覧

(当作品は官能小説です。18歳未満の方はご遠慮ください☆)

是非よろしくお願いします☆


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Posted on 2016/02/09 Tue. 23:06 [edit]

category: 小説更新

thread: 更新報告・お知らせ - janre: 小説・文学

tag: 小説  官能小説 
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小説:妖・密事(あやかしみつじ)シリーズ更新!  

本日幻創文庫にて連載が更新されました♪

奇譚×官能の連続短編、『妖・密事(あやかしみつじ)シリーズ』です。

今作は題を『芒夜語り(すすきよがたり)』としました。

前作『蜘蛛の子』から地続きのお話で、半妖カスミの母、絡新婦の過去を語る内容となっています。


『芒夜語り 前編』
≪本文抜粋≫
 立ち上がり周囲を見渡せば、そこは広大な平面世界。どこまでも平らな、見渡す限り芒(すすき)の世界だった。
 その足は地について、視界に映る水気など夕暮れに馴染む雲ぐらいしか無いのだけれど、二人が思うは海――深さ滲ませる群青の大海原だった。
 まるで海水の全てを芒に変えてしまったような世界だ――と。

 過去は、広大な芒(すすき)の世界で語られよう。


本日更新の前編はこちら→『芒夜語り 前編』
(当作品は官能小説です。18歳未満の方はご遠慮下さい☆)

中編・後編も更新されましたらその都度ブログでご報告致します。どうぞよろしく(∩゚∀゚)∩

シリーズ一覧はこちら→妖・密事シリーズ一覧


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Posted on 2016/02/03 Wed. 16:35 [edit]

category: 小説更新

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小説:朱松骨董品店 『人喰い銀狐』  

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小説ブログ「DOOR」の管理人・limeさんの描かれた絵を元に物語を書く、≪妄想らくがき企画≫に参加させて頂きました!

企画のページはこちら→(妄想らくがき企画)+(scriviamo!参加イラスト) 『狐画』

本当に素敵な絵なのですが、エログロ寄りな話を書いてしまって申し訳ありません(´・ω・`)

☆―――――――――――――――――☆

 朱松骨董品店『人喰い銀狐』    夢月亭清修


 裏の裏は表ではあるまいか――否、裏にも裏が実在せんと言わんばかりの路地裏は、迷い人か野良猫渡す程度の賑わいの、なれども古惚けた骨董品店あり。
 煤けた弁柄格子に、こちらも煤けた木目の看板掛け、読めば薄っすら『朱松骨董品店』と書いてある。
 迷い人あれば皆首を傾げたことだろう。なぜこのような場所に――と。
 とまれその骨董品店、格子の外から内側を垣間見ること叶わないそうな。事実覗こうとした者の言によれば――「いやぁ、闇ばかりだったさ」と。
 その闇の内側を知る者は、これ如何にも曰くありげに口を閉ざすのだ。

 ある日ある所に、当て所ないそぞろ歩きの青年あり。彼は美術の道志す美大生と言う奴で、絵画のモチーフに困り果てていた。
 歩いてはぶつくさ独り言の、何か佳いモノはないだろうかとそればかりで――敢えて歩いたことの無い道ばかりを選んでいたモノだから、うっかり出逢ったが件の骨董屋、朱松骨董品店である。
 絵を描くことばかりに熱心な青年だもの、骨董なんぞとは縁もゆかりも無い彼だったが、それゆえ惹かれたモノと見える。未知にこそ我がモチーフ在りと、彼は店の引き戸を開いたのだった。
「――いらっしゃい…」
 幽かな声は骨のような、腹巻した老翁から――老翁は店内を所狭しと埋め尽くす雑多な品々にハタキを掛け、どうやらこの店の店主であるらしい。
 青年はその背に断りの一言――あの、見せて頂いてもよろしいですか、と。
「――うん」
 青年を振り向きもせずに頷いた。買う気の無い青年には有難い商売気の無さか、それにしたって反応は薄い。
 とまれ何か佳いモチーフは――と、再びぶつくさし始めた青年の目に飛び込んできたもの、それ、女の肌であった。
 野に伏し、一糸纏わぬその姿は躍動さえ覚えずにはいられない野生美――いいや、その雪花石膏のように白い肌が誘うのは青年の確かな劣情であって、野生の情婦などと表現すればしっくり嵌るか――これも否。
 何となれば、それは不思議な魅力を湛えた一枚の絵であった。銀色の髪と尾、そして狐のような耳を持つ艶めかしい女の絵。野生やら情婦やらと表現するのも馬鹿馬鹿しい程、それはただソレとしか言いようの無い存在感が女にはある。
 自然、青年は呟いていた――凄い、生きているみたいだ――と。
 壁に掛けられた女の絵に、青年は吸い寄せられるかに歩み寄る。と、青年と女の目が合った。確かに合った。動くはずのない絵の中の女が、青年の顔を上目遣いに眺め、微笑さえ零したではないか。
 瞬間――青年は一も二も無く店を飛び出していた。その絵に恐怖したからではない。絵の中の女に、心奪われたような気がしたゆえである――。

 その日を境に、青年には眠れぬ夜が続いた。頭の中には件の女のことが犇めいて寝付けず、ようやく寝付けたかと思えば夢にも女、その淫夢とあって不快な寝汗を粒と浮かせて目が覚める。
 女、女、女――狐のような女――一週間も過ぎた頃には人が変わったよう。青年、その双眼の下に隈が三重にもなって、あれほど画家たろうとの心意気に燃えていたのが嘘のよう。今はさながら薬物中毒者か、モチーフのことなど心の片隅にも無いと見える。
 嗚呼そして、そんな眠れぬ夜も二週間を過ぎた頃、彼、やがては苦しみの中で決意する。夜半にあの骨董屋に忍び込んで、あの絵を盗んでしまおう――と。
 いいや、彼の思い描く行為を語れば「盗む」が一等の表現なれど、彼自身にしてみればその意識と言葉は違ったかもしれぬ。

 あの女を抱きに行くのだ――と。

そうだ、青年は夢に見る程、あの女が欲しくて欲しくて堪らなかったのである。

 あくる朝、変わらず店の品々にハタキを掛ける老翁が独り言に曰く。
「まったく……お前はホンに若い男が好きだのぅ、銀狐や……ほどほどにせんと、お前自身が変わっちまうだろうに……」
 見れば絵、満足げに微笑む女の口元に、べっとりと赤い絵の具をぶちまけていた。

                                            ――了


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Posted on 2016/02/02 Tue. 00:39 [edit]

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