夢月亭~下手の横好き~

夢月亭清修の小説&バス釣りブログ♪小説の更新情報・小説・釣行記録・その他諸々掲載してます★

最近の読書  

こちら夢月亭清修です。

ここのところは休日=悪天候とあって、釣りにも行けず家で読書・執筆で過ごす時間が増えております。

「妖・密事(あやかしみつじ)シリーズ」の最新話が入稿できたので、こちら近日中に掲載される予定です。

またブログにてご報告致します♪

奇譚×官能の『妖・密事シリーズ』一覧はこちら(当作品は官能小説です。18歳未満の方はご遠慮ください☆)

☆―――――――――――――――☆

さてさて、最近読んだ本の中から良かったモノをいくつか紹介致します。
月の裏側
≪月の裏側/著・恩田陸
九州の水郷都市・箭納倉(やなくら)を舞台に、元大学教授・協一郎達が失踪事件の謎に迫る。記憶をなくしてひょっこり戻ってくる町の人々は果たして人間か否か――やがては〈人間もどき〉の存在に気付くのだが……

ある先行するSF作品と似た内容となっているため、世間的な評価は低くなっているそうなのですが……いやいや、超面白かったです。

読者の記憶から感覚を引きずり出す名文がいくつもあって、舞台(箭納倉は福岡県柳川市がモデル・掘割での川下り等が有名)の放つ郷愁の味が堪りません。→柳川市観光協会HP

たとえそれが身近でなくとも、日本の古い文化に一種の憧憬を感じるのは自分の趣味嗜好ですが、そんな舞台でSFホラーをやられたらドキドキが止まんないですよ、もう(笑)

帯に『懐かしくて、やがて、怖い。』なんて書かれているのですが、本当にその通り。お勧めです!
ふたたび三匹
≪三匹のおっさん ふたたび/著・有川浩
剣道の達人キヨ、武闘派の柔道家シゲ、危ない頭脳派ノリ。還暦三人組がご町内の悪を成敗する人気シリーズの第二弾。
書店での万引き、ゴミの不法投棄、連続する不審火――様々なご近所のトラブルに三人が大活躍!

ドラマ化もされているこのシリーズですが、本当に大好きです。

様々な年代のキャラクター達がそれぞれの年代にしっくりハマる感覚で見事に描写されており――読みやすいだけではなく、本当の意味で老若男女誰でも楽しめる作品じゃないかと思っています。

特にこの第二弾、トラブルの質が一作目よりぐっと身近なモノに偏っている……なんだか共感を越えて迫ってくる感情があります。

そこを還暦の三人が痛快に事を運ぶものだから、読んで「気持ちいい」の一言に尽きるwwお勧めです!
谷崎痴人
≪痴人の愛/著・谷崎潤一郎
高給取りのサラリーマン・河合譲二――映画等の普及により西洋文化への憧憬が高まる日本において、彼も「ハイカラ」好きの一人であった。彼はカフェで奉公していた十五歳の少女「ナオミ」に恋をして、自らの手で彼女を理想の女に育て上げることを決意する。同居生活に持ち込んだ譲二は彼女に習い事・服・食事、欲しがるものはなんでも与えて育てるが……やがてナオミは、彼を完全な支配下に置いていた――

谷崎潤一郎の作品は「悪魔主義的作風」なんて言われていますが、この作品もまさしく「ナオミ」という女悪魔に囚われていく男の告白です。

悪くなればなるほど美しさに磨きをかけていくナオミの描写がエロくって、それを語る河合譲二がどんどんおかしくなっていく――読んでるこっちは「河合さんやべぇ! 河合さんやべぇ!」ってハラハラします。笑

そしてしかしながら――「結局河合さんってドMだったんだね」では済まない美しい作品です。大正モダニズムを味わうにもお勧め!
置
≪掟上今日子の備忘録/著・西尾維新
忘却探偵・掟上今日子――全てを一日で忘れてしまう彼女が様々な事件を即日解決!ありとあらゆる事件に巻き込まれ、毎度容疑者扱いされてしまう不遇の青年・隠館厄介が今日も彼女に助けを求める。

面白いです。笑

コレって一日で解決できるの? と思いながら読んじゃうんです。

西尾維新と言うと、独特のジョーク、言葉遊び、メタなセリフ等々、随分捻くれた書き方をする(だがソレがイイ!)印象でしたが、本作は至ってシンプルに青年の語りで描かれており、それだけに謎解きと今日子さんの魅力だけで魅せていこうとの気合を感じます。(僕の個人的な見解ですが…)

すっかり続編も数冊出ているそうなので、今からそれらを読むのが楽しみです。お勧め!
適材適所
≪適材適所のルアーセレクト/著・青木大介
最後はつり人社から。笑

無類の強さを魅せて止まないトッププロ・青木大介さんですが、本書においてはパターンフィッシングに対して否定的な考え方を披露しています。

自分は釣れないバスを釣るためにアレコレ情報を見漁って、所々で耳にする「パターン」というものに一種の憧れを抱いていたのですが、本書の言葉を抜粋すれば「パターンは結果論」だそうです。

最初は驚きながらページを捲りましたが、しかし読み終えてみると共感できる考え方でもありました。中でも「巻物でサーチするな」、「ライトリグは強く動かせ」は自分の経験とも結びついて頷けるところ。

フィネスな釣りはスローな釣りと思われがちですが、実はそうじゃない。←これは自分の内側でもモヤモヤあったもので、本書がこれを明確に言葉にしてくれて嬉しくもなりました。

いまはこの本にあるようなことを試したくて、「春よ来い!」と念じております(笑) バスアングラーにお勧め!w
☆――――――――――――――――☆

長くなりましたが…たまには本の話がしたくてご紹介しました。

またいつかこんなブログも書こうと思っています♪


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Posted on 2016/01/31 Sun. 00:25 [edit]

category: 未分類

thread: 本の紹介 - janre: 小説・文学

tag: 釣り  小説  恩田陸  谷崎潤一郎  西尾維新  青木大介  有川浩  ホラー 
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エリアトラウト~「BerryPark FISH ON ! 王禅寺」へ初釣行♪  

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今日は友人3人とBerryPark FISH ON ! 王禅寺に行ってきました!

初めてのエリアはやっぱりドキドキですね~。楽しみで前夜はあまり眠れませんでしたw

BerryPark FISH ON ! 王禅寺公式HP

とりあえずスプーンを表層から→徐々にレンジを落として探りますがなかなかアタリません。

どうしたらいいモノかさっぱり分からないので、こちらのエリアに慣れている友人Aに話を聞いてみると、「ボトム用スプーンで底とってデジ巻きすると間違いない」とのことだったので早速試してみることに……
oz1.jpg
釣れました♪

ボトムを取ってみると岸から2~3m先がブレイクになっています。

どうやらそこに魚が溜まっているのか回ってくるのか、同じ場所でアタリが頻発。

ショートバイトが多くてバラシ、すっぽ抜けも多かったのですが、カラーローテしながらやっていくとそのうち良いアタリも取れる感じでした。
oz4.jpg
楽しい♪ 今まで出番の少なかったボトム用スプーンですが、持っていて良かったw

使ったのはrobルアーのバベルシリーズです。rob lure products公式HP

このルアーもそうですが、ラインの動きでアタリを取るのって結構好きです♪ フッキングや巻き合わせでようやく魚の重みを感じるのですが、重さを感じた瞬間の「ハイそれ正解!」って感じが気持ちいいw

もちろん正解以上に「ハズレ」も多いのですが……より正解を得る為にフロロかPEラインでも良かったかなぁと思いました。(今回はナイロン使用でした)
oz3.jpg
そしてとっても良いお天気。

滅茶苦茶寒かったのですが、サングラスは欠かせないです。
oz2.jpg
売店で売っているカップラーメンが沁みます………管理釣り場って絶対カップめん置いてますよね? なんでだろ…
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で、結局最後までほぼほぼボトム用のちっちゃなスプーンでやり切ってしまいました。

ちゃんと上げれた釣果は12匹くらいでしたが、魚からの反応が途切れずにあったのでずっと楽しんでいられましたd(・ω・●)

ちなみに友人Nはクランクの表層巻きで一日やり切り、僕以上に釣っていたので他にも良いパターンはたくさんあったようです。

使ったポンドもイチロー池とジロー池のみ。

まだまだやっていないことがたくさんあるので、近いうちにまた行きたいなぁと考えております。
new_facilities_fieldmap_oz.gif
FISH ON!王禅寺、とっても楽しい釣行でした♪


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Posted on 2016/01/24 Sun. 22:37 [edit]

category: エリアトラウト

thread: ルアーフィッシング - janre: 趣味・実用

tag: 釣り  スプーン  エリアトラウト 
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柴山沼 バス釣り~降雪、翌日の柴山沼  

昨日の関東地方は雪、ホント大変でしたね。

自分は運よく昨日今日と仕事が休みだったので、これと言って大変なことは無かったのですが……家でぬくぬく過ごしてました(。-ω-`人)スミマセン…

で、今日は雪の影響で何か変化があるんじゃないかと期待して釣りへ。笑

路面凍結を若干滑りつつ…柴山沼に行ってきました。
wash.jpg
まぁ結果として――まったく釣れませんでした。笑

魚に触れなくたって使ったルアーは家で洗いますよ~。

今日のハイライト↓
①同行した先輩Nのハイピッチャータイフーン(買ったばかり・たしか2000円くらい)が三投目のフルスイングで星になった。
②自分のザリメタル6gも星になった。
③メタルバイブにアタリらしき反応が一回だけあった(フナのスレの可能性もあるけど…)
④メタルバイブを一定のテンポで一時間シャクリ続けていると瞑想感を覚えて寒くなくなった。

こんな感じでした。

次回は管理釣り場に行ってマス達に慰めてもらおうと思っています。



そうそう、釣りの後古くなったフックをまとめてRYUGIのピアストレブルダガーに交換しました。

ハイシーズンのワッキー・ダウンショットではフォグショットTCのお世話になったので、個人的な見解ですがRYUGIだと安心感があります。小さい針でもしっかり刺さるというか、そんなイメージです。

RYUGI公式HP

で、交換が下手なせいか親指の腹がザラザラします。

なんだか大きいバスを釣った後の指みたいです。笑


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Posted on 2016/01/19 Tue. 23:06 [edit]

category: 柴山沼

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tag: 釣り 
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小説:朱鷺端境抄(ときはざかいしょう) 『蛍が沼』  

  朱鷺端境抄       夢月亭清修


『私は朱鷺――元は人、今も姿形こそ人の女なれど、その本質は定かならぬ。
 今ではないいつか、此処ではない何処かにて、石を拾って成り果てたが今の私と言うモノで――世界と世界の端境を歩み、ただ歩んで進むだけの女、それが私。その在り様に意味も、目的さえも見出せぬまま歩き続けている。
 嗚呼、いったいどれ程の世界を歩いたことだろう――。
 私をこのような存在へと変えてしまった石は、今も我が懐にて孵らぬ卵の如し。黒く艶光り、妙に人工物のようでいてさに非ず。
 この石の正体さえ、私には解らぬのだ――』


   『蛍が沼』

 女が霞の中を行く。
 見渡せぬ周囲をものともせず、濃密な粥の中とも思しき世界を渡る。
 五里霧中を絵に描いたようなその場所にあって、しかし女の足取りに迷いは無い。導き在ってか、それともその黒曜の如し目に確かな道筋見えてのことか、傍から見れば不思議な有様である――。
 この女の名は朱鷺。肩から先の無い胴衣は藍染の、茶色に煤けたカルサン袴は脹脛に絞られて、一見すると杣人か、否、それを着古すは細身の女――杣人たる剛毅は何処にも見当たらぬ。
 なれどもその背に通る一筋が窺えよう。貧相なナリとは言え、その存在は胆力漲るかに凛として、粥の中を歩くことに露程の疑問も無いと見える。
 その女、朱鷺。やがて彼女の短く整えられた髪を、風が揺らした。

 霞の道程を抜けた朱鷺の前に、出現した世界は三日月の夜、どこか山中に佇むと思しき平屋の裏手。平屋は、古めかしくも郷愁を誘う日本家屋の――嗚呼、勝手口が見えた。
 正面へと回ればそこには縁側が――縁側には、女が一人。
 青の浴衣は着流しの、宿浴衣と呼ぶが相応しい。その上に茶羽織を羽織って宿から抜け出して来たかの女、波打つ長い髪を束ね左肩から胸元へと流している。
 女の金色の双眼は見開かれて瞬きの、朱鷺を目にしてさぞ「驚いた」と言わんばかりの表情である。
 この世界の住まい人かと朱鷺、会釈して曰く。
「はじめまして、私は朱鷺と申します。旅人、のようなモノです」
 この言に女、今度は浴衣の袖で口元隠し笑いだし、「ふふっ、これは変わったお客人だこと。まぁ、悪いモンじゃあなさそうだ。そら、こちらにお越しよ」と、朱鷺に縁側の隣を勧めた。
 なぜ笑われるのかと朱鷺、無表情の内側で思案するが皆目見当も付かぬ――とまれ、朱鷺から見ても女は悪いモノでもなさそうな。彼女は勧められるが儘、女の隣、縁側へと腰を落ち着けた。

 勧められた茶の湯の暖かみが手の内に広がっている。
 朱鷺の目は辺りを見回して、その美麗な様に揺蕩うかに心は広がってゆく。
 何となれば、そこには数千の蛍が明滅を繰り返し、柔な月明かりにも増して艶やかなる灯りが二人を包んでいたからで。
 暫し見蕩れて呆然と――言葉無く茶の湯を啜る。
 そんな二人に会話が持ち上がったのは、女の呑んでいた煙管が煙管盆の灰吹きを拍子木の如く叩いたからで、拍子木の音は、物語の幕を上げるに相応しい。
「綺麗な場所ですね、蛍がこんなにも――」
 そう、朱鷺は自然と呟いていた。女は無知な旅人の案内人か、勝手知ったる世界だもの――流れるようにその名を口にする。
「ここは『蛍が沼』さね。名前のとおり、蛍と沼がある。沼の上はもっと綺麗だよ。此処よりも多くの蛍が飛んでいるからね、それが水面に映るのさ」
 して女、ここは『白河夜船の白河の如し世界』とも語った。白河夜船とは、熟睡して何も知らないこと、知ったかぶりを指す言葉であるが、その白河であるなら何なのだろう? 朱鷺は、誰かの見た夢かと想像する。
「近いがちょいと違う。ここはね、誰かが見た夢を喰って繋がる世界さ。なんしろ、私は獏の眷属さね。夢を喰らう獏の住む世界。夢を喰らった獏と繋がる世界。私は『獏女』なんて呼ばれているんだよ」
「獏、ですか……私の知っている獏はこう、熊と象と犀を混ぜた、もっと動物的な妖怪なのですが……」
 そう言って朱鷺、改めて隣にいる女をまじまじと見るが、その姿形はどこから見ても人のそれ、彼女の言う動物的な特徴など欠片も持ち合わせておらぬ。
 視線に女、獏女は、また笑って曰く。
「ははっ、まぁそういう獏もどこかにはおることだろうねぇ。でも、だから私は『獏女』なのだろうよ――これでも女さね。人の男を好くことだってあるくらいだ」
「人の世に降りることがあるのですか?」
「いいや、人の方から迷い込んでくるのさ。夢を渡ってね。私は、迷い込んだ人間を案内するのが役目でね、沼で釣りをさせる。夢を餌にしてね――ここで餌にする『夢』は寝てみる夢じゃない。起きてみる夢の方。叶わなかった夢を捨てさせてやるんだよ。金盤(かなばん)はそういった『夢』が大好きなのさ」
「金盤?」
「嗚呼、沼に住む大きな肺魚でね、ほら、私の瞳と同じ金色の鱗を持っている。そいつらを釣ってみてはいかがかと勧めるのさ。まず、私以外に釣られることはないだろうけれど…」
 何事を皮肉ってか、獏女はくつくつと笑った。それを見て、嗚呼、なるほどと、朱鷺は得心する。
「貴女は、夢を喰らった金盤を喰らうのですね」
「ふふっ、そうさね――だから私も獏なのさ。あんた、察しが良いじゃないか」
 獏女は今し方出会ったばかりの朱鷺を見て、茶飲み相手はこうでなくちゃあと微笑む。して、吹かした煙管の拍子木を一つ、カンッ――と響かせた。
「で、あんたの方は?」と朱鷺を見詰める金色の双眼、如何にも興味ありげな眼差しで。
 朱鷺は懐より、切欠の石を取り出して曰く。
「私は……私はこれを人間の頃に拾いました。不思議な石です。元々巫女の家系に生まれた私と相性が良かったのか悪かったのか――この石が、私を様々な異界へと導くのです。いつしか私、年を取らなくなっていました」
 その石を、顎に手で見遣る獏女が呟やいた。「これは……」と。
「ご存じなのですか?」
 うむ、と頷く獏女が曰く。
「なるほど、だからあんたは出口から入ってこれたのだねぇ。いやね、この世界は一方通行なのだよ。家の裏手、霞の向こうから誰かが訪れることなんて、今まで一度だって無かったのさ。夢より迷い込んだ人は皆沼の向こうより来て、あの霞の向こうへと帰って行くのだから。何の横紙破りかと驚いたよ。でも、その横紙破りが以外にも礼儀正しかったもんだから、つい吹き出しちまった――」
「嗚呼、それで――」
 出会い頭に笑われたことに納得の朱鷺、元より口数の少ない彼女が言葉を続けたのは、やはり石に対して並々ならぬ執着があった故だろうか。
「して、この石は何なのでしょう?」
「こいつぁね――」
 獏女が言う。その地を指す言葉、深みを滲ませるかに。
「――『ぬらりの翁の星の丘』の隕石と聞く。私も初めて見たよ」
「ぬらりの翁の星の丘……」
 朱鷺はその名、忘れるべからじと心に刻んだ。全ての始まりがその石であるなら、全ての終焉もまた、その石に縁るのではとの予感が確かにあって。
 獏女がまた、煙管を拍子木の如くと打ち鳴らした。

 そうして幾許かの時を茶の湯と過ごした朱鷺、獏女に頭を下げて平屋を辞する。別れ際に少なからず心配を滲ませた獏女の言葉――「あんた、見れば随分と若い時分にその石を拾っちまったようだが、その身を嘆くようなことは止しなね。疲れたら立ち止まるのも、立派な術さね」と。
 これに返す朱鷺の言葉、その芯を窺わせて何とも凛々しく。
「嘆いたことなど一度もありませぬ。理由も目的も持ち合わせませぬが、それでも、私と言う存在にも意味があるのでしょう。私はただ、この石が指し示す運命に従うのみです。揺れず、ただ歩くのみなのです」
 そうして再び歩き出した朱鷺が向かうは獏女の言う『世界の入口』である。ただ石が指し示すままに、彼女は一方通行を遡ってゆく。

 次に繋がるは、誰かの夢の中かも知れぬ。

 入口に向かう途中、話に聞いた沼の縁を横切った。沼の上に漂う数千の蛍火が艶やかで、水面は当に鏡面世界の如し。情交の宴が醸し出す灯りのなんと優しげで、なんと悲しげなことだろう。
 朱鷺が暫し立ち止まれば、鏡面世界を揺蕩うが如くと黄金の肺魚が呼吸する。その魚、不思議と自らが発光している様子であった。
「なんて綺麗な異界でしょう……」
 朱鷺は呟き、また歩き出す。
 夢の墓場を、後にする。

『私は朱鷺――元は人、今も姿形こそ人の女なれど、その本質は定かならぬ。
 今ではないいつか、此処ではない何処かにて、石を拾って成り果てたが今の私と言うモノで――世界と世界の端境を歩み、ただ歩んで進むだけの女、それが私。その在り様に意味も、目的さえも見出せぬまま歩き続けている。
 嗚呼、いったいどれ程の世界を歩いたことだろう――。
 私をこのような存在へと変えてしまった石は、今も我が懐にて孵らぬ卵の如し。黒く艶光り、妙に人工物のようでいてさに非ず。
 この石、ぬらりの翁の星の丘に降る隕石とのこと。私は今、星の丘を目指している――』

                                              ――了
次話はこちら→朱鷺端境抄『朱松骨董品店』


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Posted on 2016/01/14 Thu. 19:45 [edit]

category: 小説:朱鷺端境抄

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

tag: 小説  掌編  官能小説 
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荒川 バス釣り~80捕獲(笑)  

arakawasunset.jpg
荒川にて、遠く小さな富士山の背に隠れていく夕日………。

ボイルも打ったし、アレもコレも巻き倒して、それでも――「嗚呼、今日もダメだったか」という溜息の直後↓
hakuren.jpg
推定80㎝の巨大なハクレンがスレ掛かりで上がっちゃいました。笑

ちょっと上の方から写真を撮ってもらったのですが、重くてこれ以上腕が上がりませんでした。

まじまじとハクレンを見るのはコレが初めてで、巨体のわりに細かいウロコとか、口と目の位置が妙に近かったりとか、総じて感想は「気持ち悪い」ですね!w

でも、網を友人に手伝ってもらおうとして「怖いからヤダ!」と全力で断られたりww近くで釣りしていたお兄さんが「写真撮っていいですか!?」って鼻息荒く駆け寄ってきたりww本日のオチを演出してくれたナイスフィッシュでした(∩゚∀゚)∩

ちなみにハクレンは中国産の外来種。

日本でも確実な自然繁殖が確認されているのは利根川、霞ヶ浦水系だけなのだとか。

産卵前にはごく希に集団跳躍を披露してくれます。

こちらがその映像↓

怖いわww理由がよく分からないってところも含めてw

とまれ本日はハクレン一匹と格闘して終了。

バスが釣れなかった無念は帰り掛けのラーメンに慰めてもらいました。
yokato.jpg
埼玉県所沢市東狭山ヶ丘にある博多長浜らーめん「よかと」にて。

冬の釣り後に美味しいラーメンは沁みます。


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Posted on 2016/01/10 Sun. 20:58 [edit]

category: 河川

thread: ルアーフィッシング - janre: 趣味・実用

tag: 釣り  ハクレン  荒川 
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小説:釣り一頁ss No.5 「M美の秘密」  

小説釣り一頁ss No.5    『M美の秘密』    夢月亭清修


 私に彼氏ができた。
 名前はA太。
 私の勤め先はかなり田舎の方にあるのだけれど、綺麗な夕焼けに誘われて、何の気なしに休憩時間を外で過ごしたことが切欠だった。
 本当に何の気なしに――普段は休憩時間に散歩なんてしない。まぁこれは、仕事のストレスがそれだけ溜まっていたという話でもあるのだけれど、それはさておき――。
 近くの池を通りかかった時、彼はそこで釣りをしていて、見かけた時にはちょうど魚を掛けていた。嗚呼、思い出しただけでもあれは素敵な絵だったと思う。
 空も、雲も、水面も――全てが同じ夕焼けの色を纏って、彼はその中心にいた。勿論他と同じく夕焼けを纏う彼――彼の握る黒いロッドが描く弧は、そこでは人工物らしからぬ調和で自然と馴染んでいた。
 それは良い景色、良い風景と言うよりは『絵』と語るのが正しく思える。そう、素敵な絵、だったのだ。
 私は何だか嬉しくなって、彼に声を掛けた。
「あ、釣れたんですか?」
 あ、も何も見ていたのだからそれは分かり切った質問だったけれど、釣り人に声を掛けるならそれが一番自然であることを私は知っている。釣れたのは分かっていても、いきなり「どうやって釣りましたか?」なんて質問をする釣り人は滅多にいない。
 彼は堰堤の上に立っている私を振り返って、どうしてかポカンとした表情をしていた。なかなか言葉が返って来ないから、もう一度私から声を掛けなければならなかった。
「ど…どうかしましたか?」
 釣り人にこんな質問をしたのは初めてだった。今思い出すとなかなか笑えてくる。
「あ、えっと…その…あの…」
 彼はそんな風に少しだけどもり、私に言った。
「今日ここで誰かと出会ったら、それはきっと、恋に落ちるくらい素敵な女の子に違いないって思っていたんです。だってほら――」
 うわぁ…いきなり初対面の女に向かって何を言ってるんだろう……コイツ――というのが冷静な私から出るはずの感想なのだけれど、その時は違った。もぅ、本当に私もうっかりしたモノだ。
 うっかり、まいってしまったのだ――。
 顔が熱くなるのが分かった。きっと夕焼けの下でなかったら若年性の更年期障害と勘違いされていたことだろう。まぁきっと、その熱が今でも私の中で火の粉を飛ばし続けているに違いないのだ。
 嗚呼、そう言えば――彼がそこで「ほら」と示したのが魚ではなくて、そよ風に揺れてただただオレンジ色に光る水面だったことが、私を余計に惹き付けた。
 私には彼が「ほら」と言ったその気持ち、とても分かるのである。

 さて、その馬鹿みたいにロマンチストで、初対面の女に強い臭気を放つ言葉を平然と吐くくせに、ナイーブで小心者のA太は今、ティーテーブルを挟んで私の正面にいる。
 なんてことはないデートの最中だ。たわいない話をして、モンブランを頬張り、珈琲を啜る、そんなデートの。
 とても楽しいのだけれど、今私の心の中にはブラックバスのことが犇めいていたりする。そう、釣りに行きたくて仕方がないのだ。
 実は、釣り一家に育った私は大の釣り好きで、中でもバスフィッシングは一番と言っていい。
 私は、休日とあれば単身でバス釣りに出掛ける程の釣りキチなのである。
 しかし彼と出会って以来、私は釣りに行けていない。その理由を話せば「ノロケかよ、ぺっ」と誰かに唾を吐かれるに違いないのだが――彼が休日を合わせて毎週デートに誘ってくれるのだ。
 慣れないお洒落をしてホイホイ付いて行く私だから、まぁ釣りに行けないのも当然と言えば当然。デートを楽しんで不満を溜めるなんて、嗚呼、なんて贅沢をしているんだろう……。
 ここで「彼も釣り人でしょ? 一緒に行けばいいじゃない」なんて、いかにも某友人が言いそうな、ありきたりな解決策は却下だ。断じて却下する。
 恋人の趣味で嫌なものをランキングにすると、かなり上位の方に「釣り」はあるようだけれど、それは男女どちらから見ても当てはまる。特に私のように、そんじょそこらの男より釣りが上手い女となると目も当てられない。
 以前釣り好きの男と付き合ったことがあるが、一緒に釣行して私がボッコボコに釣るのに対し、彼が一匹も釣れないということがあった。それが切欠でフラれた記憶は、釣り好きとして色褪せるモノではない。
 ましてや今の彼、A太が初心者であることは出会った時に知っている。だからそう――
 今、私は私の釣り好きを彼に秘密にしている。彼に釣りのことで引かれるのはさすがに耐えがたいのだ。
 釣り好きとしても、女としても――。
 だからいっそ、釣りのことは当分忘れてしまおうとさえ思っていたのだけれど……。
「ん?」
 珈琲を啜る彼のスマホからラインの着信音が響いた。私達の会話も天使が横切るそのタイミングで――彼が、画面をタッチする。
「うわっ、すごい……」
「どうかしたの?」
 私の問い掛けに、彼はスマホを差し出した。
「今、友達から大きいバスを釣ったって連絡が来たんだ」
 画面を見ると、写真が添付されていた。池を背景に四十五センチくらいのバスを持つ手が映っている。バスの口にはしっかりヒットルアーも映っていた。
「へぇ、この池もクランクで釣れるようになったのね。もうすっかり秋って感じ」
「……え?」
「え?」
 私の秘密も、どうやらこれまでのようだった。

                                        ――了

前話→釣り一頁ss No.4    次話→釣り一頁ss No.6


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Posted on 2016/01/04 Mon. 00:29 [edit]

category: 小説:釣り一頁(つり1ページ)ss

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

tag: 釣り  小説  ブラックバス 
tb: --   cm: 6

あけましておめでとうございます!  

2016年、あけましておめでとうございます。

今年も下手の横好きながら、「物語」のこと、「バス釣り」にまつわること等々……自分なりに発見し、ブログを通して誰かに発信してゆけたらと思っております。

今年の目標は「釣りの楽しさが伝わるブログを書くこと」「50UPを釣ること」「小説を完結させること」--の三つです。

なにとぞ宜しくお願い致します。
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Posted on 2016/01/01 Fri. 22:45 [edit]

category: 未分類

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about 夢月亭清修  

IMG_20150922_233015 - コピー
  ☆――プロフィール――☆

P.N. 夢月亭清修 (むげつてい せいしゅう)――もしくは柿川清秋

求職中 兼業三文売文家 バスアングラー 割とオタク 結構スケベ

普通に働きつつ、休日に小説を書いたりバス釣りを楽しんだりしています。
幻創文庫幻創文芸文庫、そして当ブログにて小説を掲載中。
奇譚・青春・官能など、様々なジャンルの作品を書いています。
(小説へのリンクは記事カテゴリへどうぞ!)
バス釣りは相模湖を中心に関東のメジャーフィールドへ通う日々(…だったのですが、現在新潟県在住)。目指せ50UP!

  ☆――現在使用タックル(Bass)――☆

ロッド:DAIWA BLACK LABEL+6101MHFB
リール:DAIWA TATULA HLC 7.3R-TW
ライン:Fluoro16lb

ロッド:DAIWA BLACK LABEL 681MRB
リール:DAIWA ZILLION SV TW1016SV-H
ライン:Fluoro 14lb or Nylon14~20lb

ロッド:DAIWA BLACK LABEL+661MLFB
リール:DAIWA SS AIR 8.1R
ライン:Fluoro8lb~10lb

ロッド:Abu Garcia HornetStinger 652ML MGS MiddleRig
リール:DAIWA FREAMS2506
ライン:PE0.8号+Fluoro8lb

ロッド:DAIWA BLACK LABEL+621LXS
リール:DAIWA FREAMS 2004H
ライン:Fluoro4lb or Nylon4lb

  ☆――現在使用タックル(Trout)――☆

ロッド:MajorCraft Troutino TTA-632UL
リール:DAIWA REVROS2004
ライン:Nylon3lb

14441903805.jpg



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Posted on 2016/01/01 Fri. 22:04 [edit]

category: 夢月亭’sプロフィール

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