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夢月亭~下手の横好き~

夢月亭清修の小説&バス釣りブログ♪小説の更新情報・小説・釣行記録・その他諸々掲載してます★

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ルアーライフマガジンに掲載です!  

ルアーライフマガジン

ルアーライフマガジンさんに記事を掲載していただきました^^
今回は初心者向け、シャッドプラグに関する内容になってます。
お暇があれば是非♪→『初心者必見!シャッドプラグのススメ!』

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Posted on 2018/08/15 Wed. 23:20 [edit]

category: 寄稿記事

thread: ルアーフィッシング - janre: 趣味・実用

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河川 バス釣り~セミフットボールジグで好釣果!  

先週末、2018.08.04(土)の地元河川釣行です!
東京からはるばる友人が遊びに来てくれたので、一日かけてじっくり釣りしましたよ~。

朝から藪を漕いで、先々週に見つけていたポイントへ入りました。
が、さらに減水が進んでしまっていてエリアパワーは半減……結局、そこから奥へ歩いて好ポイントを探すことに。

一時間程歩いたところで、突然コーゾースピンにバイトが集中し始め、そこで腰を据えてみることになりました。
で、ハンツ7g+ドライブビーバー3.5インチにナイスバイトが↓
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44㎝と47㎝をゲット^^
セミフットボールジグ最高かよ!

これ以外にもシャッドやコーゾースピン、ネコリグでアベレージがたくさん釣れました。

近年巻物でサーチするのは流行ってないような気がしますが、リバースモールに限っては巻物サーチ……かなりのアドバンテージを感じます。
特に最近のクソ暑い環境では、魚のいるところにだいぶ偏りが生まれているので、とにかく短時間で広範囲を探れた方がイイ!
ラージより長い距離を追ってきてくれるスモールだからこそ、巻物の強みが生きている感じがします。

それにしても、ジグはサイズを選べるなんて話もどこかで聞き及んでおりましたが、この日はそれを体感できた気がしてます。
フットボールに病み付きになりそうです♪

友人は流れの当たるシャローをレッドペッパーで攻めて42㎝をゲット↓
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シャローの魚らしい真っ黒な魚体でカッコイイバスでした!

それにしても……見た目にはのんべんだらりとした風に見えるポイントなのに、とにかく魚の多いエリアでした。
夏はカレントやシェードに目が行きがちですが、ジグを転がした感触から、やはり底質もキーになるんだろうなぁと想像しています。
ベイトフィッシュ以外の食いやすいエサが、環境の良いボトムに多いのかも……と。

ともあれ二人でかなり数も上がったので、この日は大満足の釣行でした。

そして次の日は車の中の整理整頓、お掃除を実施↓
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マイエレキ等のレンタルボート用品をお迎えする準備が整いました^^
クレトムのインテリアバーも購入したので、ついでに簡易ロッドホルダーも試してみました。
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オカッパリで動き回る時には下段も活躍してくれそうです。

しかしエレキとハイデッキだけならまだしも、ライブウェルが入らない可能性が出て来てしまいました……。
簡易ホルダーは諦めて、必要な時は助手席も無くすしかないかも……w


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Posted on 2018/08/06 Mon. 22:32 [edit]

category: 河川

thread: ルアーフィッシング - janre: 趣味・実用

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小説:移動城塞都市と涙の運河  まとめ  

2017年10月4日から2018年7月11日まで当ブログで連載致しました小説

    『移動城塞都市と涙の運河』――のまとめ記事になります。

リンクは全て当ブログ内の本文ページです。

~あらすじ~
『異世界は目撃されることによって物語となる――』
 秀喜、祐介、ニナの三人は冒険家である。三人は異世界での冒険を本にまとめ、それを物語の好事家であるガンプ・ボルジアーニ候へ届けることを生業としているのだ。
 今回彼等の訪れた異世界は、広大な砂漠の世界。その片隅で細々と生きている人々と出会って、三人は『ヌン』という神様を探すことになった。
 ヌンは神であり、砂漠の上の貿易を独占する移動城塞都市らしい。その移動城塞都市がやって来なくなってしまった為に、食料自給率の低い土地の人々が物資の無さに苦しんでいたのである。

 三人は危険地帯への冒険を決意し、砂漠へと漕ぎ出した。そして次々に襲い掛かる困難の末に辿り着いたヌンでは、黒い悪魔達が都市を攻撃しており、非常事態の真っ最中だった。
 悪魔の正体を探る為に、ヌンの巫女であるミクラの協力を得た三人は都市の奥深くを探索し、遂に悪魔の正体と、その目的を推察するに至った。
 悪魔の黒幕はヌンであり、ヌンの目的は砂漠の大地を蘇らせることではないだろうか――と。
 民諸共に己を破壊しようとするヌンを止める為に、そして、ヌンに特別な感情を抱くミクラの想いを届ける為にも三人は奮闘するが、やがて、反旗を翻したヌンの民達が銃をもって現れ、神との決別を宣言する。
 そして起こってしまう悲劇と、一つの時代の終わり、大地が新たに生まれ変わってゆく奇跡を、三人は目撃することになる。


端緒/1.到着の夜     2.ヌンの使い(1)     3.ヌンの使い(2)

4.一行の通過儀礼     5.仕事の依頼     6.神の存在

7.ニナ・キューブリック     8.情報収集と祐介の考察     9.食物庫の種/10.砂漠行の始まり

11.六日目の脅威     12.砂漠の水害     13.彼の選択/14.罹患と昏倒

15.カプセル&ホスピタル/16.ミクラとの会話     17.三日間の要約と会話の続き     18.宗教芸術都市、夜の景観

19.出遭い頭の交戦     20.秀喜のギフト     21.瓦礫の下の運命

22.ヒステリックブルー     23.背に暮らす人々     24.Q&Aと神の領域

25.地下探索の開始     26.知られざるZOO     27.パズルピース

28.割れたティーセット     29.巫女の聖堂     30.新たな考察

31.彼女の父親     32.乱暴な訴え方     33.世界の変遷VR1

34.世界の変遷VR2     35.世界の変遷VR3     36.心模様の断片

37.純白の大隊     38.計画の進行――発砲     39.No Title

40.染まる     41.涙の運河/42.再会/43.追記(最終話)     あとがき


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Posted on 2018/08/01 Wed. 22:59 [edit]

category: 小説:移動城塞都市と涙の運河

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

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河川 バス釣り~夏とウェーダーの魅力  

暑い日が続いておりますね(っ^ω^)っ
オカッパリの釣り人は魚に合わせて朝夕しか動かない――そんな雰囲気です。
僕も最近は夕マヅメのみを狙うことの方が増えて来ました。
何せ大量にドリンクを買い込んだところで、クーラーボックスを持ち歩いて魚を探すなんてできませんからね……こりゃオカッパリ、それもウェーディングする釣り人の重大な欠点ですよ。笑
規模の大きい河川の中州で倒れたりしたら、マジで死ぬ><;

でもでも、やっぱり夏の釣り、そしてウェーディングの釣りは大好きです!
何というか、ウェーディングで歩き回らないと出会えない景色がいっぱいあると思います。
夏はそれが特に美しい♪
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こういう瀬に寝ころびたくなる。笑
水の流れ方で感じる水温もかなり違うので、夏は魚の気持ちになりやすい気さえしますね。
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何処かから押し流されてきた大きな流木。
根こそぎってこういうことですね。時として猛威を振るう自然に畏怖の念が湧きあがります。
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そして何と言っても、夏は夕焼けが綺麗!
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この暗くなる一歩手前に魚の活性も最高潮まで上がるので、色んな意味でまさしくプライムタイム。
この景色の中で出会えた連発ボイルには興奮しました!

で、ここ最近の釣果と言えば、基本は豆地獄。笑
歩き回って、やっと出会えたたまり場で無限かと思う程に釣れるも、30㎝を越えるのが難しい……
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トップに反応が無ければヤマセンコーを流したりズル引きしたりもします↓
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6月にはひたすらトップウォーターばかり投げていたので、手元にコンッ――と響いてからラインの走り出すアタリが今はマイブーム^^
ラインのたるみを巻きとってからのスイープなアワセに魚の重みが乗ると嬉しい♪

でもやっぱりサイズも伸ばしたいな……ということで本日は決死の藪漕ぎで新ポイントの開拓でした。
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複雑に絡み合った複数の瀬の下にあるシャローフラット、流れもそこそこ、本流とのアクセスも良し。
景色も良くて何だかテンションの上がるポイントを発見です!
ワームは流され過ぎちゃう感じなので、やはりここはトップをチョイス。で――↓
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嬉しすぎる4週間ぶりの40UPをゲット((∩^Д^∩))
運の要素も勿論あるけれど、探し続けてた魚に出会えた!歩き続けて良かった!って気持ちになれました。

ウェーダーを履いて歩き、景色と魚に出会う楽しさはボートとはまた違う喜びがありますね。
最近ツイッターなんかで見かける渓流の景色や魚の写真は本当に綺麗で、ちょっと渓流ミノーイングなんかにも興味が湧いてきました。
近くでできる山があるか調べてみようかな……。

とりあえず、来週も楽しく歩く予定であります^^ダイエットにもなるしな!


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Posted on 2018/07/29 Sun. 22:40 [edit]

category: 河川

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小説:移動城塞都市と涙の運河 『あとがき』  

      移動城塞都市と涙の運河 あとがき

 2017年10月4日から2018年7月11日まで当ブログで連載いたしました小説『移動城塞都市と涙の運河』のあとがき記事になります。
 まず、延べ10か月の更新に最後までお付き合いいただいた方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。コメントや拍手に支えられて、後半は自転車操業のようでしたがどうにか書き終えることができました。

 当作品を書くにあたって、非常に影響を受けた作品やメディアが複数ございます。まず第一に、高校時代から敬愛する恩田陸先生の短編作品『オデュッセイア』です。こちらは心を持った城塞都市、ココロコの美しくもぶっ飛んだ年代史になっています。この作品を読んで以降、自分もいつか美しい城塞都市を描きたい、意志のある城塞都市を描きたいとずっと思っていました。今回はその願望が叶えられて、大変自己満足している次第です。
 他にも、冒険メンバーの紅一点、ニナ・キューブリックの設定にはSF映画の名作『マトリックス』が、AI関連の事柄に関してはテレビ番組『やりすぎ都市伝説』が、砂漠のアレコレに関してはバッタ博士、前野ウルド浩太郎先生の著書『バッタを倒しにアフリカへ』が……、他にも様々、影響を受けたモノを挙げるとキリがないというくらい、『移動城塞都市と涙の運河』は既存のエッセンスで構成されています。
 こうして振り返ると、世に星ほども作品と呼べるものがあり、それを手軽に享受できる環境にいられることを感謝したい気持ちになります。

 そして、当作品は冒険譚を創ることを目的とする冒険チームの異世界冒険譚でございます。物語上の筆者となるのは主人公の一人、青木祐介。彼は自分が冒険をする目的として、実は作中、こんなことをサラッと言っています。
「原始的な博物学への憧れを物語の中でしか癒せない僕の、未知への渇望――」
 原始的な博物学とは、とにかく未開である、新たな世界への理解を深める学問を指しているのだと思います。それは作中、異世界が存在する限り終わりが無く、どこまで広がる可能性を持っているものです。ただ一つの世界で世界の広がりが終わりであるなら、既に原始的と呼べる時間は過ぎ去ってしまっており、そこに冒険の要素があるかどうかは甚だ疑問ですよね。だからこそ、彼は幼馴染である長嶋秀喜と異世界へ飛び出してしまったのかもしれないと、筆者自身は書き終えてからぼんやり思っています。
 そんな彼等に「異世界を観測し、物語として持ち帰れ」と命じている謎の人物であるところのガンプ・ボルジアーニ候は、彼自身が観測されることを望んでおらず、ゆえに一切登場しません。それでも最後に祐介が「ミクラの活躍できる装置の開発に追われるだろう」と口を滑らせたため、どうやらチームの博士的ポジションらしいということが最後の最後で窺えました。
 このように、重要な登場人物ほど謎の多いままですが、観測の経過、そして観測の結果に関してお話は綴られているという当初の制約を破ることなく、無事に書き終えることができたことを筆者自身は嬉しく思っています。
 久しぶりに書いた長編、とても充実した経験でした。

 ついでにもう一つ青木祐介に関してですが、彼、実は当ブログの別作品にも登場しています。そちらの方での彼はサラリーマンなのですが、作家志望で昔から小説を書いているという設定でした。
 この2つの世界、繋がりはあるのか、無いのか……。
 どちらも読まれている方には、ちょっとした妄想の種にしていただけたらと思います。そしてまだこの作品しか読まれていない方には、是非『紅葉怪奇譚』をお勧めいたします。

 最後に、当作品をご愛顧していただいた方々にめっちゃ愛と感謝を。

                      2018.07.21 夢月亭清修


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Posted on 2018/07/21 Sat. 22:35 [edit]

category: 小説:移動城塞都市と涙の運河

thread: 自作小説 - janre: 小説・文学

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相模湖 バス釣り~2018.07.14 秋山川……釣れないことすら季節感でした。笑  

2018.07.14 相模湖釣行でした!
初めて天狗岩ボートさんから出船し、季節感求めて一日秋山川を釣りしてきましたよ^^
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先月はアフターの相模湖を楽しんだ翌日に、榛名湖で再びスポーニングな状況に出会ったりして……なんだか体感していた季節感がムズムズしました。
なので7月も中旬だし、今日は目一杯夏っぽい釣りをしてやるぞ!と^^
雨の影響で残っている濁りに若干の不安を覚えつつも、朝五時に出船し、最初は対岸付近の浮き物をドライブスティックの逆付でチェックしようとしたら、いきなりミエバス発見w
軽く沈んだブイの真上にステイしとる…………なんという無防備さ……ひょっとしてルアーは全て見切る天才なのか……
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いいえ、超無邪気でした。笑
バックスライドで目の前を通した瞬間パクリ。取り敢えずの一本目にホッとしました。

そしてボートを秋山川上流に向かって流していったのですが、期待していたボイルが全然発生せず、なんだか掴みどころの無い雰囲気に見えました……トップでは全然釣れる気がしませんでしたね><;
手を変え品を変え、色々試してみましたが中流域は非常にバイトが遠かったです。

で、辿り着いた上流域。
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ここまで来ると流れも強く、濁りも取れていて雰囲気が全然違っていました^^
一つ下流側のシャローフラットエリアでは良いサイズのバスがウロウロしているのが良く見えます。

そういう魚を遠目からサイトして、フローティングフリック4.8で狙いました↓
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でたwwまたしてもギリギリ40㎝無いヤツw
最近どこに行っても39㎝のバスが本当に良く釣れるんです。
50㎝寸止め&40㎝寸止めは、何やら非常に悔しい気持ちにもなるんですよね。(釣れたことは勿論嬉しいのですが)

ただ、今回のこの魚に関してはサイズ問わず、非常に嬉しかった!
というのも、2016年8月に訪れた減水の秋山川で、同じような魚をフローティングフリックで掛けたものの、目の前でバラしてしまっていたのです。
なので今回はフックの番手を一つ上げて、それでも沈まないよう3.8インチではなく4.8インチを使用。
二年越しのリベンジを達成できた気分です♪
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一緒に来ていた友人も同じ釣りでナイスコンディションをゲットしていました↑
彼は片倉のフローティングフリッカーなので、連絡せずとも同じ釣りを展開していました。笑
そしてお分かり頂けるだろうか……上流の水が霞がかっているのを……

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その後お昼過ぎて暑さはピークに。
魚の反応も悪くなって全然釣れないし、集中力も持たなくなって、涼む目的でジャングルクルーズ。
このシンドイ感じが何気に一番の季節感でした。笑
クーラーボックスを冷やす目的で入れていた氷――の、解けた水の旨さ、ハンパなかったっす。

日中はそんな感じでやり過ごして、いざ夕マヅメ。
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日中はルアーガン無視だった浮き物下のバスが、超イージーに口を使ってくれるようになってました♪
32㎝と35㎝を追加し、取り敢えず一日が報われた気分になって納竿。

サイズが出なかったのと、ボイル打ちが楽しめなかった事が心残りですが、まぁまぁ、暑い中頑張って楽しめたと思います。
次来るときはクーラーボックスの中を半部以上氷にしよう、いや、むしろ全部……そう思いました。


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Posted on 2018/07/16 Mon. 11:32 [edit]

category: 相模湖

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小説:移動城塞都市と涙の運河 (最終話) 『41.涙の運河 /42.再会 /43.追記』  

     41.涙の運河――

 余震はほんの一瞬だ。直後には、巨大な揺れが都市を襲っていた。
 直下型の大地震――都市の真下で巨大な爆弾が爆発したかのような縦揺れに、立っていられる人間はいなかっただろう。
 僕は秀喜の咄嗟の行動で地面に押し付けられて、水平さを著しく失った地面に転がされるような事態は免れたけれど、揺れが治まった後で辺りを見渡せば、大隊の人員は大混乱だった。
 転倒し、怪我を負った者が続出していた。銃の暴発もあったのか、どこからか悲鳴も聞こえる。そして、ここは広場だから被害はまだしも、そこら中に損壊している建物も伺えた。ほんの数秒の揺れが、目にする景色を一変させていたのだ。
 おかしい――ここまで酷い揺れが来るなんて、話が違う。
 ヌンから聞かされていた計画では、怪我人が出るような激しい揺れは起こらないはずだった。そういう大規模な破壊は、人々が避難した後、都市の残り半分の始末に使うのではなかったか。
 ニナの言葉が頭の中にリフレインする。プラン変更よ――と。
 僕はヌンを見た。ヌンは、依然としてミクラさんを抱えたまま同じ場所に立っていた。その姿は黒いコードの塊で、もう、ホログラムを纏ってはいなかった。そして――

 ヌンの背後で巫女の聖堂が軋み、やがて、決定的な音を立てた。

 聖堂に巨大な亀裂が走り、それが地面へ、そして天井を覆うドームにまで広がってゆく。
 これは事前に聞いていたとおりの半壊の前兆だった。が――実際にそれを目の当たりにしてみると、なんとも謂い様の無い空恐ろしい気分に囚われた。
 命程も大切な何かを、完全に壊してしまったのだ――そんな罪悪感さえどこからか湧き上がってくる気がした――それ程に、大聖堂が真っ二つに割れるというのは衝撃的な光景だった。

 嗚呼、そうして、崩壊が始まる。

 都市を支えていた土台の内側が突然空っぽになってしまったかのように、聖堂の中心から先の半分が、轟々と音と粉塵を立て、ゆっくりと下界へ崩れ落ちてゆく。

 あれ程強固に見えたはずのドームでさえ、今は脆いガラス細工にしか見えない。

 居合わせた大隊の人々は、どんな気持ちでこの光景を受け止めただろうか。半分になってしまった聖堂を仰ぎ、その先にドームさえ無くなってしまって、嗚呼、今見えるのは、陽光を遮る分厚い粉塵ばかり。
 見上げるその瞳に僕は、諦念の静けさを見たように思う。
 エデンを追われたアダムとイブは泣いていただろうか? 僕には、今目の前にいる人々と同じ目をした二人がそこにはいたのだろうという気がした。きっと、悪さを企んで善悪の知識の木の実を食べたわけではないのだろう。都市の人々だって、必要に迫られて武器を手にしたに過ぎないのだろう。しかし、手に入れた知恵は、神の怒りに触れるモノだった。
 だから、楽園を追われた――諦めるしかなかった。
 だから、生きる都市を失おうとしている――どうしろと云うのだ、できることなど何一つ無い。
 崩れてゆく都市を、皆、同じ目をして見ていた。泣くことすら忘れてしまったかのように。

 そんな時に、高く舞い上がった粉塵を突きぬけて、見慣れたマシンが僕達の視界に入って来た。
 白のハイエース――僕達三人の旅を支える愛車だ。今は、四つのタイヤを水平に地面に向け、半重力装置を展開し飛行モードに入っている。
 燃料の消耗が激しいので飛ぶことは滅多に無いのだけれど、運転席にいるニナは、それもやむなしと判断したらしい。
 広場から動くなと言っていたのは、これで合流する為だったのか――指示は理解したが、しかしまだ、プラン変更の意を僕は理解できていなかった。いいや、理解することを、心が拒否していたのかもしれない。だから悠長にも、ニナには色々聞かねばならないなどと、この時の僕は考えていた。
 そう、最早そんな状況ではないと、気が付こうとしていなかったのだ。
 ハイエースは僕と秀喜の前に滑り込んでくると、着陸せず、浮いた状態でドアを広げた。ニナの声が、急かすように飛んでくる。
「早く乗って! あと十秒ッ!」
「まってニナ! まだミクラさんの状態も確認できていな――」
「いいから早くッ!」
 ニナは喰い気味に、さらに僕達を急かした。
 そこで僕はやっと、彼女が大粒の涙を零しながら運転していることに気が付いた。

 嗚呼、そうか、そうなのか――。

 ニナは既に知っているのだと思った。ミクラさんが、もう帰らぬことを。僕の期待など、幻想に過ぎないと云うことを。
 そうでなかったら、きっとニナは泣かないだろう。諦めず、今でもミクラさんの体に飛び付いて行動しているはずだ。
 体から力が抜けてゆく。あと十秒などと急かされても、僕には目の前のマシンに乗ることさえ困難な気がした。頽れてしまいそうだった。
 が――やはり、こういう時に僕の背中を無理矢理に押すのは秀喜だった。彼は僕の襟を鷲掴んで、半ば押し込むように僕をマシンへ乗せた。次いで、秀喜がマシンへと乗り込んだ。

 次の瞬間だ――ゴッ、という巨大な音と共に、再び都市が揺れ動いた。今度は浮いたマシンの中なので、その揺れが如何程かは体感していない。けれど、目に見えて分かった。都市が再び揺れていること――先程よりも、もっと強い波に襲われていることが。
「いくわよッ!」
 ニナの鋭い声と共に、マシンが動き出す。再び粉塵を潜り抜け、僕達は高い空へと漕ぎ出した。

 一瞬で遙か下になってしまった大地の中心で都市は今、残りの半分さえも失おうとしている。
 建物や人々を呑み込んで、ヌンは己を消してゆく。己の全てを、殺してゆく。
 嗚呼、そうだったのか、プラン変更って、つまりは――
「地下でヌンと接続し、都市のあらゆる地点を観測していたら、ヌンの強い感情が流れ込んできたわ……。だから分かったの、ミクラが死んでしまったこと……そして、ヌンが計画を元に戻したことが……」
「そう、だったのか……」
 僕達が知らされた計画は、都市の人々を生かす為に崩壊に加減を加えたものだ。その計画を立てる以前に、ヌンがミクラさんすら巻き込んで行おうと準備していたのが、今目の前で起きた崩壊なのだろう。
 ヌンは怨みと云う感情を体感して、一度は許した人々を、やはり許せなくなってしまったのだろうか。怨みを否定し続けた神が迎えた結末がコレでは、僕は皮肉めいたものを感じざるを得ない。

 僕達三人は、黙って地上の世界を見ていた。すっかり崩れ切ったヌンの残骸は、高く舞い上がった粉塵に覆われて、今は見えない。
 でも、残骸でもいい、ヌンをもう一度見たいと思った。見届けねばならないと思った。粉塵が晴れるまでこうして待ち、その姿を目に焼き付けて、祈ろうと思った。

 一体何に? 何を祈る?

 ぼそっと、秀喜がこう言った。

「なぁ……ヌンは人工知能だけど、この世界では確かに、神様だったよな……。それで最後は、人間だった」

 急に、僕は泣けてきた。
 ぼろぼろと涙を流しながら、両手を組んで強く祈った。
 祈りの宛先はヌンでも、物語の神でもなく、僕自身分からない何処か――それでも、ミクラさんが最後に口にしたことが叶うようにと、心から祈っていた。
 彼女は言っていた――次はもっと一緒に、傍に――と。
 秀喜の言うとおりだと思ったのだ。人工知能は神になって、人間へと降りてきた。そこには僕達と変わらない、僕達と同じ、魂と呼べるものが宿っていたと思う。だからこそ――

 ミクラさんと同じように、『次』を信じたい。

 二つの魂が寄り添える次が訪れることを、願わずにはいられない。

 どうか、どうか――

 ニナも涙が止まらない様子だ――秀喜は、じっと無表情で外を見ている。
 きっと彼は考えているのだ。どうしたらこの結末が避けられただろうか、どうしたら、みんなが笑っていられる未来を創れただろうか、と。
 子供のようにヒーローになりたいと強く願っている秀喜は、きっと、本当は泣きたいくらい悔しいに違いなかった。

 そんな秀喜が、突然ドンッ――と窓ガラスに額を押し付け、見ろ! と声を上げた。
「さ、砂漠が動き始めてる――」
 祈りと悲しみに強く瞳を閉じていた僕とニナも、外を見下ろした。
 すると、広大な砂漠のあちこちで砂が舞い上がっている。ボコボコと地下から突き上げられるように地形が変形し、砂が弾かれているようだ。ほんの数か所で起こっている現象かと思いきや、ソレはものの数分で砂漠全域に広がっていった。
「これは……あのキメラが動いているのか――?」
 だとしたら、この砂漠を埋め尽くすほどの個体数だ。今や砂漠は不規則にうねり、そして徐々に、徐々に――太陽の色をそのまま反射していたような砂の赤黄色が、暗い土の色に侵蝕されてゆく。
 そして、この変化をもたらしているモノは、やはりキメラだった――複数匹、勢い余って地面から飛び出している個体がいる。彼等は砂の下から土を持ち上げているらしかった。
 驚きに、ニナの口からも感嘆が漏れる。
「な、なんて光景なの――」
 途方も無く、巨大で爆発的な大地の変化が起きている。ヌンはキメラを創り続け、放ち続け、己も動いて大地に手を加え、その行為に千年の時を掛けたと言っていたが――。
 目の前の光景は、当に千年の時をかけて溜め込んできた、命と土の大爆発だった。
 気が付けば、最早砂の色合いなど何処にも見当たらなくなってしまっている。そして――
 キメラ達は一斉に地表へと這い出してきた。その数は、土を更に覆ってしまう程だ。とてもグロテスクな光景だが、しかしどうして――と、僕は疑問を感じた。彼等は夜行性で、日光は苦手なはずだ。人工的な光で活性が悪くなる彼等だから、この強い紫外線の中にどうしてわざわざ出てきてしまったのだろう、と。
 その疑問は直ぐに氷解した。彼等は、最後の使命を全うする為に、自殺しに出てきたのだった。
 しばらく日光を浴びていると、彼等の体が変質し始めたのだ――急激な腐敗が進行し、ボロボロとその身を大地に崩していったのである。
 大地に、土に、溶けていくようだと僕は思った。そして思い出していた。ヌンの言葉を――
「――そういえば、己の体を有機物の基礎にするんだった……あのキメラ達は――」
 その使命は彼等のどこに植え付けられたモノだろうか。脳か、はたまた遺伝子なのか。
 分からない。だがしかし、ヌンの叡智は件の医療技術しかり、生命の科学に非常に特化されていた。その技の成せる神秘を、僕達は目の当たりにしているのだった。

 そして、大地の急速な変化はこれで終わりではなかった。神秘の次に、僕達は奇跡を目撃する。

 奇跡だ――そうとしか言い様がない。

 再び、今度は大地の全てを揺るがす大地震が発生した。
 その揺れは長く、遂には星さえ己に死を与えたかと思うような天変地異の如くだ。ヌンの崩壊地点を中心にして、大地に巨大な亀裂が走った。
 それだけでも驚愕の光景なのに、その地割れはどんどん広がって、深淵の口を開いたかと思えばそれは否――穴ではない。山だ、山脈がそこから現れたのだ。
「そんなまさか――ッ、大地のプレートを意図的に動かしているのかッ!?」
 プレート同士がぶつかり合うことで山という地形は成り立つが、しかしその為に掛かる時間はざっと百万年とも言われている。そんな膨大な時間の果てに成り立つ地形が、みるみる内に亀裂から生まれ、形成されていったのだ。
 急速な山脈の形成はあれ程巨大だと思っていたヌンの、その残骸を容易く呑み込んで、オーパーツの存在など跡形も残すつもりはないらしい。

 やがて、大地の揺れが治まると、こうして突如産まれた山脈も伸びるのを止めた。が――既にその高度は二千メートル程もありそうだった。山頂は僕達のマシンが飛んでいる高度よりもっと高くなっている。そして――

 ドンッ――という巨大な音と共に、噴火が起きた。吐き出されたのはマグマじゃない。水だ――大量の水が空に向かって放出されたのだ。

 その水は青天の空から、しかし雨のように、つい今しがた生まれ変わったばかりの大地に降り注いでゆく。
 するとどうだろう、土色一色の大地が、急速に、急激に、劇的に――

 芽吹き始めた。

 嗚呼、一体どれ程の、本来掛かるべき時間を早送りにした光景なのだろうか。

 僕達三人は、最早言葉を忘れ見入っていた。

 小さな草花が、伸びては枯れを明滅のように繰り返したかと思えば、その隙間から若木が顔を出し、瞬く間に樹齢幾千の大木へと育ってゆく。
 数え切れない程の木々がそうして、己は今当に生きているのだと、雄々しくその存在を天に示すようではないか。
 それは花の咲くようでもあり、悍ましい侵略のようでもあり――木々は隙間に育つ別の植物とも絡み合いながら、大地を深い緑色に染め上げていった。
 人が分け入るのも困難な熱帯雨林が、今、形成されてゆく。

 そして依然として山脈から湧き続けている水がそこへ流れ込んで行った。
 低地の木々を薙ぎ倒し――山脈の四方八方に、複雑な川が形成されてゆく。
 本流と呼べるような大河が何本かあり、大河同士は細かな支流で結び付き、それはまるで蜘蛛の巣のように大地に張り巡らされてゆく。

 嗚呼、なんてことだろう――。

 僕はこう思ったのだ。

 ヌンが泣いている。

 ヌンの涙が命となり、河となった。

 貿易の神が、貿易を、人々の手に還したのだ。


「涙の運河――」


 忘れたはずの言葉が、口に上っていた。


     42.再会――

 終わった――。
 冒険が終わった。
 この世界に観測の対象は、もう何も無い。
 僕はそう思っていた。
 これからボルジアーニ候のいる世界に戻って、ここまでの経緯を本にしなくてはならない。どんな結末であろうとも、それは書記である僕の役目だし、僕達三人はその為のチームだ。
 秀喜とニナは、次の冒険に向けて準備を進めるだろう。
 帰らなくちゃ――いつものルーティンが待っている。
 そう、思っていた。

 ところが――

 今、僕達は山中にマシンを止めて、あろうことか悪天候の中、山頂を目指していた。
 先程打ち上げられた水が本格的な雨雲を呼んでしまったのか、灰色の空から降る雨が、容赦なく僕達を叩く。
 出来上がったばかりの山も地盤が緩く、地滑りの危険があった。
 でも――
 僕達三人は、泥だらけになりながら山を登っていた。産まれたばかりの草木を掻き分け、道なき道を突き進んでゆく。
 それはなぜか――大地の変革が終わり、マシンを元の世界へ漕ぎ出そうとしたタイミングで、二ナがこう言ったのだ。

「――ッ! ミクラ……ミクラが呼んでる――」

 ニナはハッとした表情で、後部座席の僕と秀喜を振り返った。
 その時の彼女は「信じられない」と言わんばかりに困惑しきった表情で、悲しみに心を壊し、妄想に取りつかれたわけでないことは一目見て分かった。
 事情を窺えば、彼女の脳内OSに、今当に通信が入っていると云うのだ。
 微かな信号が送られてきていた。なぜそれがミクラさんなのか、こればかりは予感めいた衝動で口走っていたそうだが。
 ともあれ、秀喜の決断は早かった。ニナ、発信源を追ってくれ、と。

 僕達は山を登った。
 登っている最中、山を下ってゆく動物達とすれ違ったり、雨の中を飛んでゆく鳥を目撃したりした。あの、ヌンの地下で見た動物達だ。
 あの天変地異からどうしてその身を守れたものだろうと、いつもなら疑問に思うところだが――あのような奇跡を目にした後では、ヌンならば造作もないだろうと、あっさり腑に落ちてしまう。

 そうして――
 登り切った先にあったのは、黒いコードの塊――最後にヌンを形作っていたモノかもしれないが、人の形はしていない。無造作に積み上げられたような塊だった。
 それを見て、ニナは言った。信号、この中からだわ、と。
 ならばと、僕と秀喜はそのコードに掴みかかって行った。最早稼働することの無いコードを、力ずくで引き剥がしてゆく。

 この内側に、何かがある――。

 僕達はニナの予感を疑っていなかった。必ず、ミクラさんに関する何かがあるはずと。

 果たして、ニナの予感は正しかった。

 コードの内側から、ミクラさんの遺体が出てくるものと僕は想像していたのだけれど、それは違った。
 出てきたのは、掌大の鉄のキューブ――ニナへの信号は、そこから発信されていたのだ。
 一体コレは何なのか? ニナは、それが接続できるものであることを確信し、その場で侵入を開始した。
 すると――

 ニナは大粒の涙を流し、キューブをギュッと抱き締めて、僕と秀喜を見た。

「……保存されている――ミクラが、この中にいる、いるわ――」

 そこにはミクラさんの人格と、持ち合わせていた全ての記憶と知識が――そして断片的だが、ヌンの記憶と知識も、保存されていたのだ。

 後にガンプ・ボルジアーニ候からは『ミクラプログラム』と呼ばれるようになるそのキューブを、僕達は持ち帰ることにした。


     43.追記――

 ヌンは彼女に言っていた。大丈夫だ、今、私がお前を救ってやる――と。
 僕達が持ち帰ったキューブは、ヌンを模っていたコードの核だったのではないだろうか。ヌンはそこに、ミクラさんの全てをデータに置き換え、取り込んだ。己を構成する容量を削りながら、あの爆心地とも言える場所で――。
 果たして、それはミクラさんにとって本当に救いだったのだろうか。彼女自身が望んだことではないだけに、当初、僕の胸中にも複雑な感情があった。そして勿論、様々な疑問も。
 例えば、データ化された人間と、生身の人間にどれ程の、どういった差が生まれるのだろうとか――スピリチュアルなモノの見方をすれば、そこに生前と同じ魂は宿るのだろうか、とか――浮かぶ疑問は、ある種の不安を呼び起こすものばかりだ。
 ともあれガンプさんの元で初めて彼女をホログラムとして呼び出し、対話した時、彼女は彼女のままだった。僕達を覚えていたし、ヌンが消えてしまったことを悲しんでいた。そして、ヌンの残した記憶を開き、少しだけ、喜んでいた。
 そこにはヌンと、彼女だけの思い出も含まれていたそうだ。父から確かに愛されていたことを感じ、いくらか前向きに、彼女は僕達と対話することができていた。

 僕達は彼女に伝えた。
 全て、君の意志を尊重すると。これからどうするのか、どうしたいのか――。時間はいくら掛けたって構わない、とも。
 彼女は少しの間黙り込んで、考えさせて欲しいと言っていた。
 彼女にとっては難しい選択を迫られていたことだろう。でも、僕はそんな風に、悩み、迷う彼女の姿に、以前と変わらぬ確かな人間性を感じたものだ。やはりミクラさんはミクラさんなのだと、少し、安心した。

 それから一週間程後になる。
 ミクラさんは僕達三人を呼び出して、自身の出した答えを聞かせてくれた。
「色々と考えました――やっぱり、体のない存在になってしまったことは、今でも複雑に思います。でも、愛する父が、私に与えてくれた第二の人生なのだと、そう、思いたいのです。それに、父がどんな風に世界を見ていたのか、知りたい――私はある意味で、父と同じ存在になれたのですから、きっと以前より理解を深めらると思うのです。だから――」

 彼女の眼には、出会った頃のような力強さが戻りつつあった。

「私を見つけてくれたアナタ達の為に、私と父を繋いでくれたアナタ達の為に、私にできることをさせて下さい。体は無いけれど、私、生きてみたい――」

 僕は彼女のホログラムに歩み寄り、右手を差し出した。
 握れるだろうか――いや、きっと握れるに違いないと思った。
 その答えは崩壊直前の都市で、彼女の手と、ヌンの涙が導き出している。

 そこに魂があれば、きっと――

「よろしく、ミクラさん」

「これからはミクラ――と、気安く呼んでください」

 彼女の笑顔を、久しぶりに見た。

 こうして彼女は、僕達のナイチンゲールとなった。
 あの世界で育まれたミクラさんの医療技術が、きっと今後の冒険で大いに役立つだろう。
 ガンプさんは当面、彼女が活躍できる装置の開発に追われるに違いない。



 さて、さて――今回の物語はこれでお終いだ。次はどんな異世界が、どんな物語が、僕達を待っているのだろうか。
 僕と秀喜の望むような冒険譚になることを願いながら、今はこの物語を閉じ、『ガンプの書架』に加えよう。

 移動城塞都市と涙の運河――これにて閉幕。

              青木祐介    ――了

前話→40.染まる    あとがき→あとがき


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Posted on 2018/07/11 Wed. 21:54 [edit]

category: 小説:移動城塞都市と涙の運河

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榛名湖 バス釣り~2018.06.23 季節感狂った~……  

201806232.jpg
2018.06.23 先週楽しめた榛名湖に再び来ちゃいました!

今回は濃霧も無し、風も比較的穏やかなので釣りし易そうな雰囲気でのスタートです。
期待は表層、トップの釣り! 前回体験できなかった春ゼミパターンを、青木虫とかポッパーで体験出来たらいいなぁと目論んでおりました。
201806231.jpg
風のある無しでだいぶ速度の出方が違う気のした足漕ぎボート。
痩せたい人間としては癖になる運動感です。

朝一は前回もお世話になったポイントへ入り、トップを投げましたが無反応。
ちょこっと一段下をチェックするのにダウンショットを入れて一本目↓
201806233.jpg
ギリギリ40㎝ありませんでしたが、口の綺麗なナイスコンディションが遊んでくれました^^
しか~し、幸先の良い一本でしたが、ここから無の時間が長かったです。

ポッパーや虫でバンクを流しましたが反応無く、なんならトップで湖一周してやろうと考えていたのですが、昼前に予報より早く雨風がやってきてしまいまして……。
降り初めのタイミングだ! と思いミノーやシャッドに切り替えるも反応無し。
う~ん……どうしたものか……と悩みながら湖を回っていると、見えるバスの様子がおかしいことに気が付きました。

あれ……スポーニングしとる……なんか、ポスト感が半端ない……

先週がポストからアフターへの移行期間と感じていただけに、これからはどんどんアフターの色合いが強くなっていくはずと思い込んでいました。が、むしろ今週の方がペアバスの行動を多数目撃。
前回は濃霧でポイントを見て回れなかったので、ひょっとしたら同じような状況だったのか、それとも、来週の大潮に向けて何陣目かになるスポーニングが活気づいたのか……。

ともあれ、これじゃあ狙い目が全然違うなと思いました><;
表層も中層も捨てて、ネコリグのボトム狙いにシフト。
直ぐに答えが返って来ました↓
201806234.jpg
またしても39㎝。笑
先週も39㎝とか38㎝が釣れているので、なんだか榛名湖には39㎝の壁みたいなのがある気がしましたねw
(たぶん偶然ですけれどw)
食った後にボートに向かって突進してくるので、フッキングまでにかなり長く感じる巻きとり時間があってドキドキしました。
リールのハイギアに感謝^^

しっかし六月も終わろうって時期にさらにスポーニングとか、正直全くの予想外でした。
関東で釣りしていると、スポーニングも終盤の梅雨入り前にトップが釣れ出して――って流れが一般的だと思うんですけれど、榛名湖の場合は春ゼミがいるので、トップシーズンの開始は産卵と照らし合わせた時に異常に早い。

そして今回見た産卵行動で自分の中にあった季節感が狂った気がします。笑

山上湖恐るべし……経験値の少ないフィールドで、自分の経験だけに照らし合わせて季節を読もうとするのは失敗の元ですわ…。
201806235.jpg
そんなこんなで結果二本でタイムアップ。
霧はありませんでしたが、雨は先週より大変でした。

榛名湖は奥深い……気がする……。


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Posted on 2018/06/25 Mon. 00:00 [edit]

category: 榛名湖

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小説:移動城塞都市と涙の運河 『40.染まる』  

     40.染まる――

 目の前で起きたことが信じられず、そこにある事実を、僕の思考は必死に否定しようとしていた。
 嘘だ、嘘だ――ミクラさんが死ぬはずがない――彼女は、彼女は――だって、彼女は神の娘じゃないか――今そこで、神に抱かれている、神に祝福されている。
 いや、死んだように見えているだけだ――きっとそう――ほら、僕はまだ、彼女の生死をちゃんと、この手で確認していない――酷い怪我かもしれないけれど、この都市の技術ならば、きっと――。
 僕は立ち上がって、二人に近づこうとした。

 しかし、不可能だった。

 僕が真実を否定し、己の幻想へ逃げる時間さえも、最早この都市には残されていなかったのである。

 ゆっくり、覚束ない足取りで二人に近づこうとする僕の耳に、指揮官の叫ぶ声が聞こえていた――彼は大隊を煽っていた。大隊を鼓舞しようとしていた。
 やはりミクラは悪魔の子だったのだ! これはその報いだ、罰が下されたのだ! この程度で怯んでいては、悪魔は倒せないぞ! 悪魔を滅ぼし、もう一度平和を取り戻さんと、固く誓ったあの瞬間を思い出せ――さぁ、さぁ! 大隊諸君、もう一度、銃を構え直せ!

 嗚呼、酷いことを言う――なんて酷いことを――。

 僕がぼんやりそう思った、次の瞬間だ。
 指揮官の喉に、先端を針のように鋭くした黒いコードが突き刺さり、貫通していたのだ。
 指揮官が血を吐き出して痙攣し、白目を剥いた。
 呆気に取られ、僕の足も止まる――コードの動きがあまりにも速かった為に、一瞬何が起こったのか理解できなかったが、今は、一目瞭然だった。
 そのコードはミクラさんを抱えて蹲るヌンの背中から生え、放物線を描いて指揮官を貫いていた。
 そしてこれはヌンの意志なのか、コードは指揮官の体を持ち上げると、無造作に、放る様にそれを抜き捨てて、先端に彼の血を滴らせた。
 大隊を包んでいた気まずい沈黙が、恐怖故のそれに瞬く間に塗り替えられてゆくのが分かる。
 ヌンはミクラさんを抱えたままゆっくりと立ち上がり、大隊を見渡した。そして――

 その眼を見た誰もが射竦められる。

 そこに在ったのは、真っ赤な両目――

 憤怒と殺意がマグマのように畝って煮え滾る、真っ赤な両目だった。

 怨みの無い世界を創造しようとしていたヌンが、今や――

 激しい怨みの念に、染まっていたのだ。

――おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――ッ!――

 ヌンが激しく咆哮した。
 都市全体を包むような大音量と、身の竦むような狂気を感じて誰もが耳を塞ぐ。
 僕も耳を塞いだが、しかし、それでも聞こえる声があった。
――秀喜、祐介、聞える? プラン変更よッ! そのまま広場から動かないで! いい? プラン変更! 広場から動かないで! 私はマシンを取ってくるから!――
 補聴器のように耳に突っ込んでいた通信機から、ニナの声がしたのだ。
 一体どうしたというのだろう? プラン変更だって? そうだ、僕達は生きている人々を、崩壊するこの都市から逃がさなきゃいけない――それが変更? 一体全体、どういうことだ?
 ニナの声は時間に追われ、今当に走っている様子だった。
 そして次の瞬間――

 ぐらり――と、大きく大地が揺れ動いた。

                  ≪――続く(次回最終話)≫
前話→39.No Title    最終話→41.涙の運河 /42.再会 /43.追記


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Posted on 2018/06/20 Wed. 23:14 [edit]

category: 小説:移動城塞都市と涙の運河

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榛名湖 バス釣り~2018.06.16 久し振りに使ったヤマセンコー……やっぱ釣れる!  

三連休二日目、2018.06.16は榛名湖です!
前日の相模湖釣行の疲れを引き摺りつつも、足漕ぎボートでの出船w
なかなかガッツのいる一日を過ごしました。笑
20180616haruna.jpg
榛名湖は山上湖――この日は霧が濃くて滅茶苦茶寒かったです。
6月にレインウェアの下にライトダウンを着たのって初めてかもしれません……触った感じ、水の中の方が断然暖かそうでした。笑

およそ3年振りに訪れたフィールドなので、釣り開始前に季節の進行具合をボート屋さんに尋ねてみました。
スポーニングはポストとアフターが混ざっているとのこと。
これも山上湖だけあって、やはり遅い。
実際に湖に出てみた感じでは、ベッドを守っている雄の姿は見えること無く、アフターが中心のようでした。
それともう一つ、ボート屋さん情報では……「セミが釣れるよー」とのこと……。
マジか――噂の春蝉パターンで是非釣ってみたい!!
20180616haruzemi.jpg
わずかながらオーバーハングのあるポイントに行くと、実際に弱った春蝉が水面でバタバタしておりました↑↑
網で拾えたので観察タイムです。
20180616aoki.jpg
サイズ感は青木虫がマッチザベイト??――試してみましたが、風が強くて波立っていた為か、バスに気づかれることはありませんでした……笑

朝一に釣果をもたらしてくれたのは、昨日の相模湖でも活躍したHPシャッドテールのダウンショットでした↓
2018061642.jpg
42㎝♪ 肛門の赤い、半プリっぽいバス^^ 良く引いてくれて楽しかった!

シャローの一段下から幸先良く釣れてくれたのですが、なかなか後が続かず、さて、どうしたモノか……そんな時間が長かったです><;
榛名湖って昔から苦手意識があって、あのクリアな水質にやられちゃうんですよね。
まだウィードも少ないですし、空っぽのシャローを見て心が折られるんです。笑
ようやくミエバスを見つけてもすっ飛んで逃げちゃって、どんどん釣れる気がしなくなってしまいます。

でも、時折シャローに上がってくるバスは蝉なのかベイトフィッシュなのか、確かにエサを探している風でして……この日もシャローでフラフラしているバスを2回だけ目撃。

アレを釣るにはどうしたらいいのか……自分なりに考えて、閃いたのがヤマセンコー(しかも2インチw)。
こちらも榛名湖同様、三年くらいバッカンの中で眠っていたもの。
これをオフセットフック、ノーシンカー、ULロッド、3lbラインでなるべく遠くからシャローに上げ、放置、たまに軽くトゥイッチを入れ、フリーフォール後にまた放置。なだらかな下り坂を時間を掛けて下らせていきます。

極めてスローな展開です。
後は、シャローに上がってきたバスと遭遇できることを祈るのみ!笑

そして、祈り続けて二時間程経った頃……↓
2018061639ji.jpg
マジか……祈り届いちゃった。笑
2018061639.jpg
バシッと上唇からの尾開きだと39㎝。
同じポイントで長く無の時間が続いていただけに、突然ラインが沖に向かって走り出した時には吃驚しました(゚д゚)

そしてなんともう一本↓ありがとう!榛名湖の神!w
2018061638.jpg
38㎝のナイスコンディション^^ こいつが一番引いてくれました♪

―――タックルdate―――
ロッド:DAIWA CRONOS 642ULS
リール:DAIWA THEORY 2004H
ライン:シーガーフロロバスハンター3lb
ルアー:ヤマセンコー2インチ+INFINI hobbit#8(ノーシンカー)
―――――――――――

苦手に感じていた榛名湖だけに、この二本追加は超ハッピーな気分になれました。榛名湖来てよかった!

昼過ぎからは風と霧が余計に酷くなってしまい、釣りをするのがかなり難しい状況になってしまいました。
ちょっと漕ぐと霧の中から別のボートが突然現れたり、沖が危険だからと岸に寄ってみればオカッパリの方に接近してしまったりと、そこかしこに危険がヤマ盛り……仕方なくボート屋の近くで釣りしましたが、何も起こらないままタイムアップでした。

ともあれ榛名湖は釣れてくれて本当に良かった!
もうちょっとクリアレイク慣れする為にも、しばらく通ってみようかなと思えただけでも収穫です。

足漕ぎボートはダイエットにも良さそうですしね。笑


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Posted on 2018/06/17 Sun. 16:51 [edit]

category: 榛名湖

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相模湖 バス釣り~2018.06.15 収穫を感じた単独釣行  

2018.06.15(金) 今週は繁忙期の振り替え休日で金~日の三連休でした!
久し振りに平日にもガッツリ釣り出来るチャンスだったので、初日は遠すぎるマイホームフィールド、相模湖へ♪
20180615sagsmi.jpg
雨は時々パラつく程度、風はそこそこ、濁りもそこそこアリ。
ネットやSNSの情報から想像すると、かなりクリアな水質から雨の濁りが入って3~4日目くらい経った頃合いでしょうか。
水温も少し下がって21℃~20℃くらいでした。

五時に柴田ボートを出船し、朝は吉野ワンドを目指してゆっくりシャローを流していきました。
2018061530ss_201806171338070e1.jpg
その間STEEZ SHAD 52SRでアベレージを複数本ゲット!
2018061530s.jpg
濁りは残っていますが、低気圧のおかげか平均サイズのバスはある程度エサを探して動いている様子でした。
それと連発はしないけれどアッチでもコッチでも釣れるコノ雰囲気は……水温下がっての20℃だからなのか、なんだか魚の散り始めた初秋の雰囲気とそっくりでしたね。笑

しかしスティーズシャッド、最近使い始めたのですが良い動きしてます。
かなりタイトなウォブルです。
この動きに適度なラトル音の組み合わせが、今日の濁り方にはピッタリハマっているような気がしました。
速巻きよりもレギュラーリトリーブに反応が良かったのも、魚のレンジと濁り方に要因がある気がしました。

さて、そうして辿り着いた吉野ワンドですが、平日なのに人がいっぱいでしたw
浮き漁礁沿いにビッグベイトを通すと40UPがわらわら出てくるのですが、どうしても口を使わせることが出来ず……
ビッグベイトの腕、全然足りてないみたいです……><;
一番奥の流れ込みには触れること叶わず、吉野、ノーフィッシュ。

桂川を下って本湖を目指している間は色々試してみました。トップ、プロップetc……
ネコリグを入れれば小さいのが釣れましたが、プラグはどれも反応無く、バンク沿いの水深が深くなり始めた勝瀬橋付近からはダウンショットにスローダウン。
コレに微かなバイトが……↓
2018061540UP.jpg
バシッと尾を開けば43㎝!無事サイズアップできて嬉しい一本でした^^
ラインはフロロ3lbでしたが、掛かり方最高です!

―――タックルdate―――
ロッド:DAIWA CRONOS 642ULS
リール:DAIWA THEORY 2004H
ライン:シーガーフロロバスハンター3lb
ルアー:HPシャッドテール2.5+INFINI hobbit#6(ダウンショット2.2g)
―――――――――――

深い所に軽いリグを入れても操作感良く、ボトムやアタリを感じる事の出来るフロロ3lb――使い始めた時はバラシやアワセ切れが多発してしまっていましたが……最近になってようやく、ちょうどいいスイープ+巻き合わせが身に付いてきたと思います。
自分の成長を感じられる一本、バス釣りのこういう時って震えるほど嬉しい!

昼過ぎからは強風になって釣り難く、シャッドで一本追加したタイミングで早上がりすることにしました。
結果は43㎝以外でアベレージを11本、ほとんどは午前中の、シャッドの釣果でした。

本当はビッグベイトデビューを狙いたかったのですが、まぁともあれ、自分なりに楽しく釣りすることが出来て良い一日でした♪
20180615ituki.jpg
〆はやっぱり、青梅市の「いつ樹」で海老つけ麺ですよ!!超好き!!

漫画喫茶に宿泊し、翌日は久しぶりの、そして苦手とするナチュラルレイク、榛名湖釣行です。
また別の記事で書きますので、お時間よろしければそちらも合わせてどうぞ^^


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Posted on 2018/06/17 Sun. 15:22 [edit]

category: 相模湖

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小説:移動城塞都市と涙の運河 『39.No Title』  

     39.No Title――

     ※

 この物語の端緒に、僕はこう記している。

 今回の物語は『死んだ物語』か――いいや、明るい見方をするなら『復活の物語』かもしれない。少なくとも――決して『生きる物語』ではなかった――と。

 そうだ、この物語は死と復活の狭間の出来事を記録したものなのだろう。どこか他人事のような表現だが、書いた僕自身、大きな悲しみに直面した為か、そのように考えている。
 引き金は死の呼び水となり、死は復活の引き金となった。その後のことは知らない。その後で、生きる物語を紡いだ人々の事を、僕達チームは一切目撃していない。
 僕達は決定的なこの瞬間に、ただただ傍観者だった。

     ※

 まるでスローモーションのような、酷く時の流れの遅い空間を僕は体感していた。指揮官の銃から放たれた弾丸の回転さえ、この目は捉えていたように思う。それほどに――。

 放たれた弾丸は空気を切り裂きながら、ヌンの胸に向かって直進してゆく。

 一ミリの迷いも無いその軌道は、これが最早取り返しのつかない事象なのだと、僕にハッキリと予感させた。

 弾丸の進む先に立つヌンは、それを受け入れようとしている。

 避けたり、身を守ったりする気が無い。こうあるべきと、彼自身がそれを望んでいるのだから。

 嗚呼、これで、終わる。この世界の一つの時代が、終わる。

 この広場にいる人間で、僕と秀喜にしか分からなかっただろう――ヌンは、薄っすらと微笑んでいた。

 始めの予定とは違う結末に、それでも満足するように、微笑んでいた。

 僕は思う――これが果たして、本当にAIなのか、と。

 世界を一変させ、規則と宗教を作り、人を導いた。そして今、個人を愛することを知ってしまい、個人の為に自ら死を選ぼうとしている彼は、本当に人工知能という言葉に収まるのだろうか。

 神を騙ったAIが、今、僕の目にはあまりに神々しく映る。

 そしていよいよ、弾丸とヌンの距離は縮まってきていた。僕の視界にはもう、ヌンと弾丸しか映っていない。

 僕はこの決定的な瞬間から、絶対に目を逸らしてはならないと感じていた。そうして彼を、この世界の指導者ヌンを、己の胸へと刻み付けよう――それがこの世界を記すだろう僕にとって必要な事であり、同時に、彼への弔いでも、敬意の表れでもあった。そういう、気持ちだったのだ。

 だから僕は、瞬きを禁じてその瞬間を見詰めていた。

 スローモーションのような体感だ。音は、一発の銃声に全てが塗潰されて遠く、無音のようでさえある。

 本当は、彼女の駆ける音も、彼女の叫ぶ声も、そこにはあったに違いないと思うのだけれど――。

 そう、そうなのだ――ヌンと弾丸のみに集約されたような僕の視界に、突如として彼女、ミクラさんは現れた。

 どうして? そう思ったが刹那、彼女はヌンを突き飛ばし、彼の替わりに――

 その身に弾丸を、受けた。

 ミクラさんの体が、一瞬、宙に浮いて、ゆっくりと――


 ゆっくりと、倒れてゆく――。


 体から力が抜けて、僕はその現場を真っ直ぐに見詰めながら膝を突いていた。
「どうして――」
 言葉を口にした瞬間、時間の体感と視界とが、一辺に正常へと切り替わった気がする。が――広場は依然として、静寂に包まれたままだった。
 僕だけじゃない。秀喜も、そして大隊として居合わせた人々も、事の衝撃に心臓を掴まれたよう。
 大隊の間では、個々に芽吹いた罪悪感が、ある種の気まずさのような空気を醸し出し始めている。
 こんなはずでは――仲間を殺すつもりなんて、これっぽっちだって無かったのに――そんな声が、どこからか聞こえてくるような――。

 そして突き飛ばされたヌンは、広がり続ける血溜まりの中で倒れているミクラさんを、たった今、目撃していた。
「ミ、ミクラ――ッ!」
 神の威厳など何処にあろう――大切な娘が直面している死への予感に恐怖し、膝が笑っている。上手く立てないのか、ヌンは地べたを這いずるように血溜まりの中へ入って行った。
 そうして彼女を胸に抱き、必死に声を掛ける。
「ミクラッ! ミクラッ! ッ――しっかりしろ! ミクラッ!」
 血の気の引いた顔、ぼんやりとしたミクラさんの目が、それでもヌンの顔を認識したらしい。
 その瞬間の彼女は、あまりにも美しかった。天使のような微笑みを浮かべ、ヌンの顔にゆっくりと手を伸ばした。
「まぁ……泣いているの? お父様――」
 ヌンの頬に伝う涙――ホログラムのはずだ。でも、僕にはその涙が、ミクラさんの指で拭われたように見えた。
「ミクラッ――だ、大丈夫だ。今、私が、私がお前を救ってやる! 大丈夫、大丈夫、だから――」
 狼狽えるヌンに、ミクラさんが小さく首を横に振った。
「お父様――ごめん、なさい……私、巫女失格、だわ……。お父様の教えに、きっと背いているの――だって、私、お父様、が、神でも、悪魔でも、どっちでもいい――そう、思ってる……。だから、だからね、お父様――」

 ヌンが泣いている。娘の言葉に耳を傾けて、心を激しく揺さぶられている。

「――貴方を心から、愛しています……。次はもっと、い、いっしょ、に――そば、に……――」

 そこでミクラさんの顔から笑みも、その眼から光も、消えてしまった。ヌンの腕の中に残ったのは、彼女の抜け殻だった。まだ温かいのだろうけれど、確かに、抜け殻だった。

                      ≪――続く≫
前話→38.計画の進行――発砲    次話→40.染まる


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Posted on 2018/06/13 Wed. 12:46 [edit]

category: 小説:移動城塞都市と涙の運河

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